前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤は上値の重い動きとなった。その後、実需筋のドル買いや、下落した株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、堅調な動きも見られた。
そして、日経平均株価が再び下落に転じたことや、トランプ次期米大統領の会見を控えて、保護主義的な政策への警戒感が高まっていることを背景に、リスク回避の円買いも強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
ただ、ドル/円は115円台前半で底固い動きとなったことで、値頃感の買い戻しや、米債券利回りが上昇したことも加わり、ドル買い・円売りが優勢となった。
米国市場では、再び、トランプ氏の会見を控えた円買いの動きが強まったことや、原油価格の下落や債券利回りの低下も影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、116円台割れを受けてストップロスを巻き込みながら一時115.60台まで下落。商業決済が集中しやすい五十日(ごとおび)に当たり、仲値公示にかけては輸入企業のドル買いが入ったものの、日経平均株価が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、堅調な動きとなった。
(2)トランプ次期米大統領の会見を11日に控え、ポジション調整の動きが強まったことや、一旦プラス圏に戻していた日経平均株価が再び下落に転じたことで、リスク回避の円買いも加わった。
(3)115円を割り込まなかったことで買い戻しが入ったことや、欧州時間に入り、ドイツや英国などの主要株価がプラス圏で推移したことが材料視され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(4)米国市場では、改めてトランプ次期米大統領の会見を控えた警戒感が高まったことや、原油価格の下落、米債券利回りの低下も加わり、ドル売り・円買いが優勢となった。午後には値を戻す場面もあったが、終盤までドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
日本時間の12日午前1時頃、トランプ次期米大統領の記者会見が予定されており、ここでの発言が注目されている。会見の内容は不明だが、マーケットでは、世界経済に影響を及ぼす可能性のある、財政の拡大や貿易政策の変更を示唆する発言をするとの警戒感が広がっている。
世界経済の成長に配慮するような発言ならば、支援材料となるが、そうでない場合はリスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、トランプ次期米大統領の会見内容が改めて材料視される可能性が考えられる。また、NY連銀総裁の発言も予定されており、金融政策に関する発言に注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、115円台前半で底固い動きとなり、重要サポートの115.08を下抜けなかった。一方、上値は一目均衡表の雲下限ライン近辺で抑えられており、115円台前半から116円台前半のレンジ内の動きとなっている。ここから、目先どちら側に抜けるのか注目したい。雲下限ラインやレジスタンスの116.35を上抜け、雲上限ラインも上抜けるようなら、一段の上昇が考えられる。一方、サポートの115.08を下抜ける場合には、114.76がポイントとなることから注目したい。