前営業日トピックス
東京市場では、序盤に実需筋のドル買い・円売りのフローが入り、仲値公示を挟んでドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は薄商いとなり、限定的な動きが続いた。海外市場では、米景気の先行き期待感を背景に、ドルが上昇する動きとなった。ただ、米住宅関連の経済指標が予想を下回る結果となったことや、米債券利回りが低下したことを受けて、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)年末を控えて新規材料に乏しい中、輸入企業のドル買い・円売りが仲値公示にかけて入り、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)午前中は、薄商いなりに活発な動きとなったものの、午後に入ると限定的な動きとなり、上値の重い動きが続いた。
(3)海外市場では、米経済の先行き期待から円売り・ドル買いが優勢となったが、年末の薄商いで値動きは限定的となった。
(4)米国市場では、ポジション調整の動きが先行し、上値の重い動きとなった。また、米中古住宅販売仮契約が予想を下回る結果となり、3ヵ月ぶりのマイナスとなったことや、米5年債入札を終えて、米債券利回りが低下したことを受けて、円買いが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、昨日輸出入企業の多くが年内最後の営業日となったことで、より薄商いとなることが予想される。そのため、限定的な動きとなる可能性が考えられる。米国市場でも、クリスマス休暇以降市場参加者が少なくなっており、経済指標発表もあるが限定的な動きが続くだろう。米債券利回りの動向にドルが連動する可能性もあることから、注目したい。また、東京市場と同様に、薄商いが予想され、急な動きとなる場合もあることから注意しておきたい。
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 1時間足
豪ドル/円は、一旦雲を上抜けたものの、その後再び雲を下抜ける動きとなっている。前回安値近辺まで下落しており、ここからもう一段の下げとなるのか、一旦値を戻す動きとなるのか注目したい。下値のポイントは、83.96-83.94近辺、ここを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性もあり、(1)83.81 (2)83.19 (3)82.93 近辺が下値のポイントとなる。一方、上値は雲下限近辺(84.37-84.42)となり、ここを上抜ける場合には、レジスタンスの84.59、84.87がポイントとなる。そして、オシレターのMACDでは、両線がゼロラインを下抜けて下げ継続を示すシグナルとなっており、ここからは両線の乖離幅の縮小と、先行するラインの失速に注目したい。
気まぐれ投資コラム
2016年の振り返り
2016年の為替市場は、『予想外』という結果で大きく動きました。また相場の格言では、申年であり、騒がしい年でもありました。大きなイベントでは、英国のEU離脱を問う国民投票でEU離脱が決定したことや、米大統領選でトランプ氏が次期大統領に決定しましたが、いずれも大方の予想に反する『予想外』の結果となりました。そして、その影響で為替市場をはじめ、金融市場が大きな動きとなりました。
2016年前半のドル円・クロス円は、全般的に軟調な展開が続きました。序盤から日米の金融政策に注目が集まり、その思惑や結果に為替相場が影響を受けるということが多くありました。
1月には、日銀がマイナス金利導入を決定したことを材料に、ドル/円は一時121.685まで上昇し、ドル/円はこの年の高値を付ける動きとなりました。しかし、米国の利上げ観測の後退、中国経済の鈍化による世界景気減速懸念、原油価格の下落、世界的な株価の下落などを背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、円買いが優勢となりました。
6月には英国のEU離脱に関する国民投票でEU離脱派が勝利したことによる混乱も加わり、米国の利上げのタイミングが益々後退となり、ドルは軟調な動きとなったことに加えて、リスク回避の円買いの動きが続きました。なお、英ポンドも大幅下落となり、対ドルで1985年6月以来、対円で2012年11月以来の安値を付ける動きとなりました。

※出所:FX総合分析チャート 日足
2016年後半は、100円台割れ近辺では底固い動きが続きましたが、上値も重いレンジ内の動きが続きました。その中で、米国の利上げ時期に関する思惑で上下する動きが続きました。そして、米大統領選が近づくにつれて、大統領選一色になってきました。ただ、過激な発言の目立つトランプ候補に対する不安感も出ており、クリントン候補有利との見方が優勢となっていました。その中で、トランプ候補が大統領に決定すると円高になるとの見方も出ていました。
米大統領選の開票が始まり、トランプ候補有利との報道が出ると、ドルは一時大きく下落(105円台→101円台)する場面もありました。しかし、トランプ氏が次期大統領に決定すると、トランプ氏の掲げた経済政策に対する期待感を背景に、ドル買いが優勢となり、ドル買い・円売りの流れが続きました。その後、米FRBが1年ぶりに利上げを決定したことも加わり、ドル/円は118.664まで上昇し2月3日以来の高値を付ける動きとなりました。

※出所:FX総合分析チャート 日足