前営業日トピックス
東京市場では、日米の金利差拡大が意識され、円売りが入るものの、ロシアの駐トルコ大使が射殺されるなど国際情勢の不透明感から、安全資産とされる円を買う動きもあり、序盤から小動きの展開が続いた。そして、日銀の黒田総裁が記者会見で、円安の進行について「驚くような水準ではない」と発言したことから、円を売ってドルを買う動きが強まった。米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、クリスマス休暇を控えたポジション調整の動きが見られたものの、薄商いで限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均が小動きの展開で始まったこともあり、序盤のドル円・クロス円は小動きの展開となった。ただ、五十日(ごとおび)であることから、仲値公示を挟んで実需のドル買い・円売りフローもあり、堅調な動きも見られたが、日銀の金融政策発表を控えて上値の重い動きとなった。
(2)日銀が金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したことを受けて、若干円が売られた。そして、黒田日銀総裁が「今の為替水準は驚くような水準ではない」と発言したことで、市場では円安容認と受け止められ、円売りが優勢となった。
(3)値頃感の円買い戻しや、欧州勢のクリスマス休暇を意識したポジション整理の動きも見られた。また、ユーロは対ドルで一時1.0352ドルまで下落し、2003年1月上旬以来、約14年ぶりの安値をつける場面もあった。
(4)米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きが続いた。また、市場参加者も少なく、薄商いとなったことも影響した。
本日のトピックス
東京市場では、昨日年内最後の大きなイベントが終了したことから、限定的な動きが予想される。加えて、週末から東京市場が連休となることから、ポジション調整の動きが加速する可能性も考えられる。米国市場では、住宅関連の主要な経済指標の発表が予定されているものの、クリスマス休暇を控えたポジション調整の動きも考えられる。昨日は、市場参加者も少なく、薄商いとなったことから、引き続き限定的な動きとなる可能性も考えられる。米株式市場では、ダウ平均株価が昨日一時19987.63まで上昇しており、本日中に初めての20000ドル台乗せとなるのか注目されている(終値は19974.62ドルなので、あと約25ドル)。
12/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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550万件 | 560万件 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、件数ベースで2007年2月以来の高水準となった。住宅市場の堅調さが示されたが、今回は前回の反動で若干の減少が予想されている。そして、先週発表された住宅着工件数などが大きく悪化したことや、米国の住宅ローン金利の上昇の影響が懸念されていることから、下振れにはやや警戒したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
豪ドル/円は、雲の中の展開となっており、目先値を戻す動きとなるのか、雲下限を下抜けて一段の下げとなるのか注目したい。上値のポイントは、38.2%戻しの85.75、ここを上抜ける場合には雲上限ラインとなり、半値押しのポイントと続く。一方、下値のポイントは85.20、ここを下抜ける場合には、84.65が次のポイントとなる。