前営業日トピックス
東京市場では、序盤に日銀短観が発表されたが、反応は限定的だった。米FOMCを控えて様子見ムードも強まっており、その後はレンジ内の展開が続いた。ただ、東京市場終盤にかけては、米債券利回りの低下の影響で軟調な動きとなる場面もあった。米国市場では、米小売売上高が予想を下回る結果となったが、下値は限定的となった。そして、米FOMCで利上げが決定されたことなどを受けて、ドル買いが優勢となり、ドル/円は117.40まで上昇し、2月8日以来の高値を更新する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日銀短観では、大企業製造業が前回から改善したものの、反応は限定的となり、利益確定や輸出企業によるドル売りが上値を押さえる展開となった。
(2)日経平均株価がマイナス圏から値を戻したものの、上値の重い動きが続いたことや、米10年国債利回りの低下が続いたことも加わり、ドル売り・円買いが優勢となった。
(3)欧州勢のドル買いなどから、ドル/円は一旦値を戻す動きとなったものの、株安、欧米の債券利回りの低下もあり、円買いが続いた。米小売売上高が予想を下回る結果となったことからドルが売られる場面もあったが、FOMCを控えて底固い動きとなった。
(4)FOMCでは、0.25%の利上げが決定されたことや、ドット・チャートで来年の利上げペースが9月時点の2回から3回に引き上げられたこと受けて、ドル買いが優勢となった。また、米債利回りも上昇したことから、日米の金利差拡大が意識され、クロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場で米国の利上げ発表に加え、2017年の利上げペースが3回との予想が示されたことを受けてドル買いとなった流れが継続するのか、又は一旦調整となるのか注目したい。そして、米国の利上げ発表を受けて、米国株が下落したことから、日本の株価動向にも注目したい。米国市場では、主要な米経済指標の発表が続くものの、前日の利上げの影響が継続するのか注目したい。マーケットでは、米大統領選以降堅調な動きが続いていることもあり、重要なイベント終了で達成感が出るとの見方もあることから、目先の流れに注意したい。
12/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月消費者物価指数
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.2% | 0.4% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、4ヵ月連続の上昇となり、4月以来の高水準となった。今回は、反動が予想されており、特に11月は10月よりも原油価格が下落していることから、その影響が出る可能性もあり、予想以上の低下も想定しておきたい。 | ||||
22:30 | 米国 |
12月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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4.0 | 1.5 |
前回は、市場予想を上回り、4ヵ月ぶりにプラスに転じ、6月以来の高水準となった。今回は、更なる上昇が予想されている。製造業関連の指標の改善が期待されていることから、中心的な当該指数の結果に注目が集まっている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
豪ドル/円は、重要なレジスタンスを上抜けて、一段の上昇となった。ここからさらに上昇が続くのか、一旦調整となるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線上向きとなっており、乖離幅も拡大であることから、上昇継続も考えられる。目先は87.24がポイントとなり、ここを上抜ける場合には、87.50、87.84が上値のポイントとなる。一方、下値は86.87、86.61がポイントだが、オシレーターのMACDで両線の乖離幅が縮小し始めた場合や、先行するラインが失速し始めた場合に注目したい。