前営業日トピックス
東京市場では、原油価格や日経平均株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、株価が上げ幅を縮小したことなどが影響し、軟調な動きとなったが、午後には再び株価が上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。特に、ドル/円は116円台まで上昇し、2月以来の高値を付ける動きとなった。海外市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく材料に乏しい中、上昇していた原油価格の下落や米債券利回りの低下を背景に、ドル円・クロス円な軟調な展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まり、260円以上の上昇となったことに加えて、OPECとOPEC非加盟国の協調減産決定を受けて原油価格が1年5ヵ月ぶりの高値圏に上昇したこともドル円・クロス円の支援要因となった。ただ、株価が上げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、その後は軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が再び堅調な動きとなったことや、米10年債利回りが2.50%を上回ったことを受けて、ドル/円も116円台まで上昇し、2月8日以来の高値を付ける動きとなった。
(3)主要な米経済指標の発表がないことや、FOMCを控えていることから、様子見ムードも強まった。ただ、米債券利回りの低下や、原油価格の下落が続いたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表などがないものの、中国の主要な経済指標の発表が予定されている。この結果を受けて、株価などに影響が出る場合には、為替市場にも多少影響が出るだろう。米国市場では、本日からFOMCが始まることから(結果発表は14日)、様子見ムードが強まる可能性が考えられる。そのため、限定的な動きも予想されるが、米国の利上げや最近のドル高に対する思惑が交錯する可能性もあることから、注意も必要だろう。
12/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
11月輸入物価指数(前月比)
輸入物価指数は、輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-0.4% | 0.5% |
前月は、原油価格の上昇などが影響し、6月以来の高い伸びとなったが、今回は一転してマイナスが予想されている。11月は原油価格が42ドル台まで下落(10月は52ドル台まで上昇)していたことから、これが影響する可能性が考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、高値更新後に上値の重い動きとなり、それまでのトレンドラインを下抜けて一段の下げとなった。そして、一目均衡表の雲上限近辺、38.2%押しのポイントの114.99近辺まで下げており、ここから一目均衡表の雲上限ラインに沿って上昇となるのか、雲の中に入り込んで軟調な動きとなるのか注目したい。上値は、レジスタンスの115.38、115.60がポイントとなる、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。また、下値のポイントは、114.64(50%押し)、114.29(61.8%戻し)がポイントとなる。また、雲を下抜ける動きとなる場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。オシレーターのMACDでは両線下向きとなっていることから、やや軟調な動きが想定される。
気まぐれ投資コラム
FOMCで利上げ決定か?市場の反応は?
本日13日から14日までは、今年最後の米FOMCが予定されています。2015年12月に利上げを実施して以来1年が経ち、ここにきて利上げの可能性が高まっています。米国では、利上げや利下げを開始すれば、数ヵ月から2年程度のサイクルで連続的に利上げや利下げが実施されてきました。そして、昨年12月の利上げ以降もこれまでと同様に利上げサイクルが形成されると見られていました。
しかし、中国経済の不安、英国のEU離脱問題など、海外の不安の高まりを背景に、米国経済への影響も不安視され、追加利上げの見送りが続きました。そして、ここにきてその不安が払拭する一方で、予想外にトランプ氏が次期米大統領に決定したことで、更に先送り懸念も高まりました。ただ、米経済指標の改善が続いたことや、トランプ氏の掲げる経済政策に対する期待感を背景に、株価が大きく上昇するなど、追加利上げの期待感、環境が整ったとの見方がコンセンサスとなっています。
米金利先物市場で織り込まれている12月の利上げ確率は100%であり、11月終盤以降には0.50%の利上げに対する期待感も高まりつつあります。そして、ドル/円は一時116円台まで上昇していることから、為替市場でも米国の利上げを織り込んだ動きとなっているとの見方も強まり始めています。そのため、利上げが発表された場合のインパクトはやや限定的となる可能性も考えられます。そのため、発表後はドルの上昇も予想されますが、達成感からの調整の動きとなる可能性にも警戒が必要と考えられます。
※出所:BloombergのデータをもとにSBILMが作成
※出所:BloombergのデータをもとにSBILMが作成