前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、円買いが先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、円買い戻しが一服したことから、値を戻す動きとなったものの、日本や欧州主要株価が下落したことや、ユーロ下落を受けて円を買う動きが再び強まり、ドル円・クロス円は再び下落した。米国市場では、米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回ったものの、失業率が約9年ぶりの低水準となったことから、上下する動きとなった。ただ、その後は週末の利益確定などの動きに押され、上値の重い動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)114円台での実需のドル売りや、短期筋などの利益確定のドル売り・円買いが先行し、仲値公示前後まで継続した。また、日経平均株価が下落したことも影響した。
(2)低下した米長期債利回りが上昇したことを受けて、値を戻す動きとなったものの、日経平均株価が安値を付ける動きとなると、再び円買いとなった。ただ、欧州勢はイタリアの国民投票を控えて利益確定の動きを先行させており、欧州株価と共にユーロも軟調な動きとなった。
(3)米雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回る結果となったことや、賃金の伸びが前月比でマイナスとなったことが嫌気され、ドル売りとなった。ただ、失業率が2007年8月以来の低水準に改善したことや、FOMCでの利上げには影響しないとの見方から114円台に反発した。
(4)イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票に対する懸念を背景としたリスク回避の動きや、週末のポジション調整も加わり、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日のイタリアの国民投票の結果が注目され、日本時間に結果が明らかになることから注目したい。そして、憲法改正案が否決される場合、イタリアの首相が辞任すると表明していることから、政治的な混乱からリスク回避の動きが強まる可能性もある。また、オーストリアの大統領選の再決戦投票も予定されていることから、こちらの結果にも注目したい。米国市場では、米国の主要な経済指標の発表が予定されているものの、結果に対する反応は限定的と考えられ、イタリアの投票結果に対する動きが中心となる可能性も考えられる。
12/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月ISM非製造業景況指数 ![]()
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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55.2 | 54.8 |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、引き続き堅調な水準を維持した。今回は前回から若干の上昇が予想されているが、先週末に米雇用統計の発表を終えていることから、注目度は低い。ただ、大きく低下する場合(可能性はほとんどないと考えられる)には、利上げへの懸念が出る可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、高値から軟調な動きとなっている。現状では、ローソク足で大陽線後の陰線引けが続いており、週明けの足型やその翌日の足型に注目したい。週明け陰線となる場合には、翌日の陽線切り返しとなる可能性にも注目したい(陰線3本後の陽線での戻し)。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小、先行するラインの失速が続いていることから、この後両線がクロスする場合には軟調な展開を示唆する形となることから注目したい。下値のポイントは一目均衡表の転換線、ここを下回る場合には、サポートの111.36。上値のポイントはレジスタンスの114.55がポイントとなる。