前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、月末の実需のドル買いなども散見され、仲値公示にかけてドル/円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い動きとなった。海外市場では、欧州主要株価が上昇したことや、米経済指標が堅調な結果となったことからドル買いが優勢となり、ドル/円は再び113円台まで上昇した。ただ、原油価格の下落や、OPEC総会の決定を見極めたいとの思惑もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、111円台で上値の重い動きとなったが、仲値公示にかけて輸入企業や機関投資家、投機筋などの月末のドル買い・円売りなどから堅調な動きとなった。その後は、日経平均株価が上値の重い動きが続いたことから、111円台から112円台を往来する動きが続いた。
(2)111円台では値頃感からドル買い・円売りとなったことや、欧州主要株価が堅調な動きとなったことも影響し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米GDPが市場予想を上回り、2014年7-9月期以来の大きな伸びとなったことから、ドルが堅調な動きとなった。
(4)投機筋の月末のポジション調整が継続していることや、30日のOPEC総会を控えて原油価格が下落するなど、結果を見極めたいとの思惑も強まり、また債券利回りの低下も影響し、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、OPEC総会が予定されており、減産が合意されるかがポイントとなっている。減産合意ができない場合には、原油価格の下落となり、その場合資源国通貨や円買いの動きとなる可能性も考えられる。減産合意ができた場合でも、減産量がそれほど多くないことから、大きな上昇にはつながらない可能性も指摘されている。また、米国の主要な経済指標が予定されており、結果を受けて12月の米国の利上げに対する期待感が高まる場合には、ドル買い・円売りとなるが、金利低下につながる場合には、円買い戻しの動きとなる可能性も考えられる。
11/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
11月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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17.0万人 | 14.7万人 |
前回は、市場予想を下回り、5月以来5ヵ月ぶりの低い伸びとなった。今回は、最近の経済指標の改善が続いていることもあり、雇用者数も増加していると予想されている。週初より予想値も上方修正されていることから、予想以上の伸びとなる可能性も一部では指摘されている。 | ||||
23:45 | 米国 |
11月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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52.5 | 50.6 |
前回は、市場予想を下回り5月以来の低水準となった。ただ、景気の判断基準となる50は5ヵ月連続で上回った。今回は、前回からの上昇が予想されているが、NY連銀指数や、リッチモンド連銀指数など、製造業関連の主要指数が予想以上の改善となっていることから、改善期待も高まっている。そのため、50を下回る結果となる場合の下振れには注意したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ユーロ/円は、一目均衡表の雲を上抜ける動きとなったが、上値の重い動きとなっている。ここから上昇継続となるのか、軟調な動きとなるのか注目したい。目先、レジスタンスの119.98、120.17を上抜ける動きとなる場合には、一段の上昇が考えられる。一方、サポートの119.55を下抜け、雲の中に入り込む動きとなるようなら、雲下抜けとなる可能性も考えられる。MACDでは、両線のクロスが間近であり、完全にクロスして乖離幅が拡大する動きとなるようなら、下げを示唆する形となることから注目したい。