前営業日トピックス
東京市場では、ここまで続いたドル買いの流れが一服し、序盤は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が序盤下落したことも影響した。その後は、値を戻す動きも見られたものの、新規材料に乏しく、また株価や米債券利回りの動きなどが影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。米国市場では、主要な経済指標が予想を上回る結果となったことを好感し、ドルは堅調な動きとなった。そして、米国の12月の利上げ期待が強まったことも、ドルの押し上げ要因となった。特に、ドル/円は109.33まで上昇し約5ヵ月半ぶりの高値を付ける動きとなった。一方、株価や原油価格が堅調な動きとなったことも影響し、クロス円も堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ドルの堅調な動きが続いた反動から、ドル売りが先行した。また、五十日(ごとおび)にあたり、仲値公示にかけて実需のドル売りに押されて軟調な動きとなった。特に、5ヵ月ぶりのドル高値圏となったことで、輸出の売りが散見された。また、米長期債利回りが低下したことも、ドル売り・円買いを促進させた。
(2)下げ一巡後は、値を戻す動きが見られたものの、日経平均株価がマイナス圏で上値の重い動きが続いたことや、一旦戻した米長期債利回りが再び低下したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)欧州の主要株価や原油価格の上昇を背景に、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、米国市場では、米小売売上高、NY連銀指数が市場予想を上回る結果となったことから、12月の利上げ期待も強まり、ドル買いが優勢となった。ドル/円は109.06まで上昇した。
(4)109円台での上値の重い動きが続いたものの、終盤までマイナス圏の動きが続いたダウ平均株価がプラス圏まで上昇し、4営業日連続で終値ベースの最高値を更新したことや、原油価格が堅調な動きとなったことが材料視された。ドル/円は6月2日以来、豪ドル/円は4月28日以来の高値を付けるなど、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日本の経済指標の発表もないことから、引き続き株価や米債券利回りの動きに左右される展開が予想される。前日の海外市場では、ドル/円が6月以来の高値を付けていることから、一服する動きも考えられる。また、実需(特に輸出企業の動きが活発となる)のドル売りも出やすいことから、仲値公示近辺や終盤の動きには注目したい。米国市場では、昨日の経済指標が堅調な結果となり、米国の利上げ期待が高まったことから、本日発表される経済指標の結果にも注目したい。特に、値頃感から調整の売りも入りやすく、指標悪化となる場合には、通常以上に敏感に反応する可能性も想定しておきたい。
11/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.3% | 0.3% |
前回は、市場予想を上回り、3ヵ月ぶりのプラスに改善した。今回も+0.3%の伸びが予想されているが、9月に比べ原油価格が上昇していたことから、予想以上の伸びとなる可能性も考えられる。また、変動の激しいエネルギー、食品を除いた指数にも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月NAHB住宅市場指数
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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63 | 63 |
前回は、市場予想と一致したものの、1ヵ月ぶりの高水準となった前月からは低下した。前回は、若干減速したものの、依然として高水準で推移しており、住宅市場は引き続き、緩やかだが拡大しているとの見方も強いことから、予想を上回る結果となれば、更に期待感が高まるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、レジスタンスを上抜けて上昇が続いている。目先は、レジスタンスの109.33を上抜けて一段の上昇となるのか、サポートを下抜けて一服となるのか注目したい。重要なサポートは108.53となり、ここを下抜ける場合にはトレンドラインや、一目均衡表の雲上限ラインがポイントとなる。オシレーターのMACDでは両線クロスして下向きとなっていることから、調整となる場合の動きに注目したい。