前営業日トピックス
東京市場では、米大統領選の開票が進み、共和党のトランプ候補の勝利が確定的となったことを受けて、投資家のリスク回避の円買い・ドル売りが優勢となり、ドル/円は101.18まで急落し、クロス円も軒並み下落となった。その後は、円売り介入の警戒感が意識されたことなどから、値を戻す動きも見られた。そして、トランプ氏が公約したインフラ整備や大規模減税に対する期待感を背景に、米株価が堅調な動きとなり、リスク回避の動きも後退し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米大統領選の結果を見極めたいとの見方から序盤は小動きの展開となった。ただ、中西部の州で共和党のトランプ候補の勝利が確定的となったとの報道を受けて、ドル売り・円買いとなる場面もあったが、その後は値を戻すなど、不安定な値動きとなった。
(2)開票が進み、ルイジアナ州、ネブラスカ州、コロラド州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワイオミング州など、トランプ候補の勝利が見込まれている州が増加。またフロリダ州やオハイオ州などの重要州でトランプ候補が優勢となったことで、投資家のリスク回避の動きが加速した。
(3)急速な円高が進行したことで、日本政府・当局の円売り介入に対する警戒感が高まったとの見方に加えて、トランプ氏の勝利演説で「過激発言」が無かったことから、不透明感が後退したとの見方が広がり、ドルは反発となった。
(4)トランプ氏が勝利したことで、公約に掲げていたインフラ整備や大型減税に対する期待感から株価が大きく上昇し、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。米ダウ平均株価は8月26日以来の高値まで上昇し、ドル/円も7月27日以来の高値を付ける動きとなった。また、米10年債利回りは1月以来の2%台乗せとなった。
本日のトピックス
東京市場では、欧米の株価が大幅な上昇となったことから、前日大きく下落した日経平均株価がどこまで値を戻す動きとなるのか注目したい。株価が上昇となれば、ドル円・クロス円は比較的底固い動きが続く可能性が考えられる。米大統領選が終了したことで、次期大統領となったトランプ氏の公約に対する期待感で株価などが上昇したが、側近やブレインの顔ぶれによって政策の方向性が変わる可能性もあり、決定までは思惑が交錯する動きも考えられる。そして、昨日のトランプ氏の演説では過激発言が封印されていたが、再び過激な発言が飛び出るようなら、内容によっては再びリスク回避の動きとなる可能性も考えられるだけに、注意も必要だろう。
11/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.0万件 | 26.5万件 |
前回は、市場予想を上回り、8月以来の高水準に増加した。今回は、若干低下が予想されているものの、26万件台では反応は限定的だろう。25万件まで改善すれば、多少の動きも予想されるが、前日に大きく動いたことから、動き難い面もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、急速な上昇となっており、一旦調整となる可能性も考えられる。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小傾向であり、先行するラインが失速していることから、両線がクロスする展開となる場合には、軟調な動きを示唆する形となる。その場合に下値はサポートの105.46、104.73、そして38.2%押しのポイントの104.09近辺までが考えられる。上値のポイントは、直近高値の105.88となり、ここを上抜ける場合には、106円台乗せ、106円台半ばがポイントとなるだろう。