前営業日トピックス
東京市場では、前週末に米大統領選の民主党候補のクリントン氏の私用メール問題が再燃した流れを受けて、リスク回避の円買いが先行した。その後は、円買いの動きの反動や、月末の輸入企業のドル買い・円売りから反発する場面もあった。そして、メール問題に関する捜査の行方を見極めたいとの思惑から、限定的な動きが続いた。ECBが資産購入プログラムを延長するとの観測を背景に、ユーロが対ドルで軟調な動きとなり、ドルは円に対しても底固い動きとなった。ただ、日米の金融政策発表を控えて、様子見ムードも強まりつつあり、限定的な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)クリントン候補のメール問題に関するネガティブな報道が材料視され、序盤は軟調な動きが続いた。ただ、市場では、トランプ氏がここから逆転するのは難しいとの見方も根強く、ドル買い・円売りとなった。また、月末の輸入企業のドル買い・円売りも加わったことも影響した。
(2)ドル買いが一巡後は上値の重い動きとなり、仲値通過後にはやや緩んだ。そして、米ABCテレビやワシントン・ポスト紙の世論調査で、トランプ氏の支持率が巻き返し、クリントン氏との差を1ポイントに縮めたとの報道があったものの、FBIの捜査の行方を見極めたいとの思惑で、様子見ムードが広がった。
(3)海外市場でも、クリントン氏の私用メール問題が再燃したことが材料視されたものの、リスク回避の円買いが進んだ反動で、円を売ってドルを買う動きが先行した。米国の経済指標の結果がまちまちとなったことから、 反応は限定的となった。
(4)日銀金融政策発表やFOMCを控えて、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日銀の金融政策発表や黒田日銀総裁の会見が予定されており、現状では、政策の現状維持が見込まれている。予想通りとなり、声明でも目新しさに欠ける場合には、限定的な動きとなる可能性も考えられる。しかし、緩和スタンスを継続する日銀と、利上げに向かうFRBの違いが改めて意識される場合には、ドル買い・円売りとなる可能性も想定しておきたい。また、豪州の金融政策の発表も予定されており、結果に注目したい。米国市場では、主要な米経済指標の発表が予定されているが、FOMCを控えていることもあり、様子見ムードから限定的な動きが予想される。ただ、市場予想と乖離する結果となる場合には、影響が出る可能性も想定しておきたい。また、米大統領選に絡む発言や報道にも注目したい。
11/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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12:30 | 豪州 |
豪中銀 政策金利発表 |
1.50% | 1.50% |
今回は、政策金利の据え置きがコンセンサスとなっている。先週発表された消費者物価指数の結果を受けて、年内の利下げの可能性が後退したとの見方が強まっており、今後の方向性に関する声明などに注目したい。また、最新の物価見通しも発表されるが、先週発表された3Q消費者物価指数が+1.3%に改善し、RBAの目標である+1.5%に近づいており、改善の兆しが見え始めたことが盛り込まれるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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51.7 | 51.5 |
前回は、市場予想を上回り、50割れからの改善となった。今回は、前回からの上昇が予想されているが、最近発表された製造業関連の経済指標では、悪化となるケースが目立っていたことから、予想を下回る結果には注意したい。特に、判断基準の50を下回る場合には、ドルの下振れに繋がる可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
NZドル/円は、1時間足ベースで一目均衡表の雲を下抜けており、トレンドライン上で下げ止まっている。目先は、ここから再び上昇となり、雲上抜けをトライするのか、または下げ継続となり、一段の下げとなるのか注目したい。目先の上値のポイントは、雲上限となり、ここを上抜ける場合には、レジスタンスの75.20、75.37が次のポイントとなる。一方、下値のポイントはトレンドラインとなり、ここを下抜ける場合にはサポートの74.75、ここを下抜ける場合には、下値目標の計算値である74.58、サポートの74.54近辺となる。