前営業日トピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表があったものの、反応は限定的だった。そして、実質的な五十日(ごとおび)にあたることから、実需の動きが見られたものの、その後は週末で積極的な売買も手控えられており、もみ合いの動きが続いた。米国市場では、注目された米GDPが市場予想を上回る結果となったことから、ドルが買われる動きとなった。ただ、個人消費が前期に比べ伸びが低下したことや、消費者関連の経済指標が悪化したことから下落する場面もあった。しかし、米国の利上げ期待が根強く、再び堅調な動きとなった。午後には、米FBIがクリントン氏の電子メール問題の捜査を再開との報道を受けて、株価やドルが大きく下落となり、リスク回避の動きから円が買われる動きとなり、クロス円も軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の消費者物価指数が市場予想と一致したことで、反応は限定的。実質的な五十日(ごとおび)にあたり実需筋のフローが流入したが、仲値付近では輸出企業のドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は上値の重い動きとなった。午後には、日経平均株価が堅調な動きとなり、円売りとなるものの、値動きは限定的。
(2)米GDPが市場予想を上回る結果となったが、個人消費が前期から低下したことから、上値は限定的となった。また、利益確定のドル売りに加え、ミシガン大指数が悪化したことも影響した。
(3)米国の利上げ期待も根強く、下落した場面ではドル買いが入り、クロス円も堅調な動きとなった。しかし、米FBIがクリントン氏の電子メール問題の捜査を再開との報道を受けて、株価やドルが急落となり、円買いが優勢となった。
本日のトピックス
先週末の米大統領候補のクリントン氏の電子メール問題に関する報道の影響が残り、上値の重い動きとなる可能性も考えられる。特に、米ダウ平均株価が一時162ドル下落したこともあり、日経平均株価への影響にも注目したい。また、米国市場では、主要な米経済指標の発表が予定されており、特にFOMCを控えていることから、年内の米国の利上げを占う上で結果に注目が集まっている。そのため、結果を受けて思惑が交錯する可能性もある。また、前週末のメール問題に対する新たな報道や要人発言などにも注意したい。
10/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.4% | 0.0% |
前回は、市場予想を下回り、3月以来の低水準となった。今回は、改善が予想されているものの、四半期ベースの個人消費の伸びが低下していることから、市場予想を下回る可能性も考えられるため注目したい。また、同時に発表される個人所得も低下していることから、こちらの改善にも注目したい。 | ||||
22:45 | 米国 |
10月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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54.0 | 54.2 |
前回は、市場予想を上回る結果となったが、今回は前回からの低下が予想されている。予想通りの結果なら、大きな影響はないと考えられるが、最近の製造業関連の指標結果の低迷が続いていることから、市場予想以上の低下となる場合には注意したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限ラインから上放れ、一段の上昇となった。そして、高値を更新する動きとなったことから、相場の方向性を示すとされる基準線も上昇している。11月2日までは横ばい(105.52を上回らない場合)が続くものの、3日〜11日までは上昇が続くことから、ドル/円の一段の上昇も考えられる。ただ、オシレーターのMACDではやや両線の勢いがなくなっていることから、下向きとなる場合には注意したい。そして、上昇する基準線を下回らず、堅調な動きが続く場合の上値目標の計算値は106.89となる。