前営業日トピックス
東京市場では、序盤にやや軟調な動きとなったものの、日経平均株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。その後、株価が一時マイナス圏まで下落したことから、円買いが優勢となり、ドル/円は104円台割れとなった。午後には、堅調な動きが見られたものの、上値は重く、欧州主要株価が下落して始まったことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。米国市場では、米製造業関連の経済指標が予想外の悪化となったことから、ドル売り・円買いが優勢となった。また、原油価格の下落なども影響してクロス円もやや上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことを受けて、ドル/円・クロス円は堅調な動きとなった。また、日銀の黒田総裁が「消費者物価は、当面小幅のマイナスないしゼロ%程度で推移するとみられる」などの発言が伝わったが、反応は限定的となった。
(2)仲値公示にかけては、輸入企業の積極的なドル買いがなかったが、仲値公示後には輸出企業のドル売りが散見された。そして、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を1ドル6.7379元と、前営業日終値に対して元安方向に設定し、2010年9月以来6年ぶりの低水準となった。これを受けて、リスクオフを意識した円買いが出た。その後、株価がマイナス圏に下落したことも影響し再び堅調な動きとなり、円売りが優勢となった。
(3)104円台ではやや上値の重い動きが続いたことや、欧州主要株価が下落したことを受けて、再び104円台割れまで下げる動きとなった。しかし、103円台では短期筋の値頃感の買いも入り底固い動きとなった。
(4)10月NY連銀製造業景気指数が予想外の悪化となり、3ヵ月連続のマイナスとなったことを受けて、米景気の先行き不透明感などが懸念され、ドル売り・円買いが優勢となった。その後も、原油価格の下落や、米債券利回りの低下も影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価の動きや、人民元相場に注目したい。日経平均株価は、再び17000円台乗せとなるようなら、円売りに反応する可能性もあるだろう。ただ、引き続き人民元の基準値を元安方向に設定する場合には、円買いの動きとなる可能性もあり、注目したい。米国市場では、前日の米経済指標が悪化したことから、米景気の先行き不透明感も出ており、本日発表される経済指標の結果には注目したい。引き続き懸念が高まるような結果となる場合には、ドルが下押しする可能性も出てくるだろう。
10/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月消費者物価指数(前年比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.2% |
前回は、市場予想を上回り、0.0%から上昇した。今回は、前回を上回ると予想されているが、エネルギー価格の改善がどこまで影響しているのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月NAHB住宅市場指数
全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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63 | 65 |
前回は、市場予想を大きく上回り、昨年10月以来の高水準となった。今回は、前回の反動からやや低下が見込まれているものの、引き続き60台が維持されると予想されており、低下しても影響は限定的だろう。予想外の上昇となる場合や、予想以上の低下で60割れとなる場合には影響が大きくなる可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の雲の上側で上値の重い動きが続いている。方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は、104.63を上抜けなければ、11月2日まで横ばいが続く。そして、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小が続いており、先行するラインが失速していることから、更に乖離幅が縮小となり、クロスとなるようなら、軟調な動きとなる可能性も考えられる。その場合に、(1)一目均衡表も雲上限ラインを下抜けるのか、(2)重要なサポートの102.81まで下抜けるのか、(3)基準線、雲下限ラインを下抜けるのか注目したい。一方、レジスタンスの104.63を上抜ける場合には、基準線が横ばいから上向きとなることから、一段の上昇となる可能性も考えられる。