前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル買い・円売りが先行し、ドル/円は7月29日以来の高値を付ける動きとなった。しかし、その後は利益確定の動きや、中国の経済指標の悪化を背景に、リスク回避の動きが強まったことから、円買いが優勢となった。海外市場では、欧米の株価下落が影響し、ドル/円は104円台から再び軟調な動きとなった。序盤に発表された米経済指標が堅調な結果となったものの、反応は限定的となった。その後は、中国の経済指標が悪化したことが改めて材料視され、世界経済の先行きに対する警戒感から円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、円買い一巡後は、下落した株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、クロス円を中心に終盤にかけて堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、短期筋のドル買い・円売りが先行した。また、仲値公示近辺まで輸入企業のドル買いが入ったことも、ドル/円の押し上げ要因となった。ただ、仲値公示通過後は、輸出企業の売りや、中国貿易収支の悪化などが材料視され、円買い戻しが加速した。
(2)もみ合いの動きが続いたものの、ドル/円は再び104円台を回復した。
(3)欧米の株価が大きく下落したことを受けて、投資家のリスク回避の姿勢が強まり、相対的に安全な通貨とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となった。また、ここまでの上昇に対する調整の動きも見られた。
(4)円買いが一巡し、下落した株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、クロス円を中心に堅調な動きとなった。ただ、ドル/円は上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日に中国の貿易収支の悪化を受けて、円買いが加速したことから、本日発表される中国の消費者物価指数の結果を受けた影響に注意したい。また、海外市場での株価下落の影響が日本市場でも出るのか注目したい。現状、それほどの影響はないと予想されるが、中国の指標次第だろう。また、米国市場では、主要な経済指標の発表に加えて、イエレンFRB議長の講演での発言も予定されていることから、発言の内容には注目したい。
10/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
9月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.6% | -0.3% |
前回は、市場予想を下回り、3月以来のマイナスとなった。今回は、その反動から大きく改善が予想されている。特に、前回低下の要因となった主力の自動車・同部品、無店舗売上の改善がカギとなるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
10月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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91.9 | 91.2 |
前回は、市場予想を上回り、4ヵ月ぶりに上昇に転じた。ただ、現況指数は、速報値からは上方修正されたものの、前月から低下し、3?月連続の低下となった。今回は前回から若干上昇するとの予想だが、現状では米経済指標の改善も見られることから、現況指数がどこまで改善するのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、日足ベースで一目均衡表の雲を上抜けたものの、やや上値の重い動きが続いている。上値目標の計算値(104.64)をほぼ達成していることや、現状のもみ合いを小休止の持ち合いパターンと見ることもできることから、目先やや軟調な動きも考えられる。目先は、現状が4波動目の下げ途中と考えれば、レンジ下限近辺が下値のポイントとなる。また、オシレーターのMACDで両線の乖離幅が縮小して先行するラインが失速していることも、目先軟調な動きの前兆と見ることができる。そして、両線がクロスして下向きとなる場合には、一段の下げとなる可能性もあるだろう。そして、その後の5波動目の上昇時にレンジブレイクとなり、一段の上昇となるのか、今後の展開に注目したい。