前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、軟調な展開で始まった。その後は、値を戻す動きが見られたものの、世界的な株価下落や、欧州通貨安などが嫌気され、投資家のリスク回避の動きから、円が買われやすい動きが続いた。海外市場に入ると、FOMCの議事録公開を控えて、米国の年内の利上げ期待も意識され、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、ドル/円は7月29日以来の高値を付ける場面もあった。そして、FOMCの議事録公開では思惑が交錯し、やや上下する動きも見られたが、目新しさに欠けるとの見方から、上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国株の大幅安や英ポンド、ユーロなど欧州通貨安を背景に、リスク回避の円買いが先行した。しかし、仲値公示にかけては実需のドル買いが優勢となった。
(2)実需のドル買い一巡後は、日経平均株価の下落が影響し再び円買いとなった。中国人民銀行は、人民元の対ドル基準値を1ドル=6.7258元と発表し、これで元安設定は6営業日連続となった。その後も日本株や、欧州株の下落を受けて上値の重い動きが続いた。
(3)金利先物市場で12月の利上げの確率が上昇していることや、FOMC議事録で年内の利上げが示唆されるとの思惑を背景に、ドル買い・円売りが優勢となった。
(4)前日から上値の抵抗となっていた104.00を上抜け一段の上昇となり、ドル/円は7月29日以来の高値を付ける動きとなった。FOMC議事録では、「幾人かが、比較的早い利上げが適切になる」と示したことが好感されたものの、全体的に目新しさに欠けるとの見方もあり、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩の海外市場では、前日の株価下落や、欧州通貨安が一服していることから、東京市場での円買い圧力は昨日ほど強くはないだろう。株式市場では、日経平均株価の17000円台乗せに注目が集まっており、ドル/円相場は104円台を維持できるかが注目されるだろう。海外市場では、英国のEU離脱に絡む問題や、南アの政治情勢に絡む問題など、新たな報道や要人発言を受けて急な動きとなる可能性もあることから、注意したい。また、米国の年内利上げ期待が高い上、米金利先物市場での利上げ確率も高いことから、ドルは底固い動きが続く可能性が考えられる。
10/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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25.3万件 | 24.9万件 |
前回は、市場予想を下回り、4月15日の週以来の低水準に改善し、5ヵ月ぶりの24万件台となった。今回は、前回から増加が予想されているものの、好調は維持されることから、懸念が高まることはないだろう。そして、24万件台が維持される場合には、ドルが買われる動きとなる可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
9月輸入物価指数(前月比)
輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.2% | -0.2% |
前回は、市場予想を下回る結果となり、6ヵ月ぶりのマイナスとなった。石油のマイナスは縮小したものの、その他の項目がマイナスに転じたことが影響した。ただ、依然として石油のマイナスが大きいものの、原油価格が底固い動きとなっていることから、プラスへの改善が予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ドル/円は、サポートポイントだった104.06を上抜けて一段高となり、ここを上抜けたことによる上値目標の計算値の104.42の到達も達成した(高値104.47)。その後は、やや上値の重い動きとなっており、オシレーターのMACDで両線クロス間近であることから注目したい。クロスして両線が下向きとなる場合には、一段の下げも考えられる。目先の下値のポイントは、サポートの104.06、ここを下抜ける場合には、103.67近辺がポイントとなるだろう。