前営業日トピックス
東京市場では、米当局者の発言を受けてドル売り・円買いとなり、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。その後は、方向性に乏しい動きが続いたが、海外市場に入り、堅調な動きも見られた。米国市場では、雇用関連の経済指標が予想を下回る結果となり、再びドルが売られる動きとなったものの、サービス業関連の経済指標が予想を大きく上回る結果となり、米国の年内の利上げ期待が高まったとの見方が広がり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、株価や原油価格の上昇が好感され、クロス円も堅調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米シカゴ連銀総裁が、追加利上げの時期に関してハト派的な見方を示したことを受けて、序盤のドルは軟調な動きとなった。また、商業決済の集中する五十日(ごとおび)にあたり、輸入勢のドル買いが出る一方、輸出企業のドル売りも見られ、上値の重い動きが続いた。
(2)103.00を完全に上抜けたことにより、一段の上昇となったものの、米雇用関連指標などを控えていることもあり、上値は限定的となった。
(3)米国市場では、ADP雇用統計が予想を下回り、5ヵ月ぶりの低い伸びとなったことからドルがやや売られた。その後、ISM非製造業指数が予想以上の改善となったことを受けて、ドルは堅調な動きとなった。
(4)その後は上値の重い動きは続いたものの、年内の利上げ期待が高まったとの見方も広がり、底固い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場で米国の利上げ期待が高まったことが引き続き意識される可能性もある。しかし、利益確定の動きや、輸出企業のドル売りなど実需の動きが出る可能性もある。海外市場では、前日の米経済指標の結果を受けて、米国の利上げ期待が高まったことから、翌日の米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑が強まる可能性も考えられ、やや限定的な動きも考えられる。その一方で、ドル/円やユーロ/円などが約1ヵ月ぶりの高値を付ける動きとなるなど、堅調な動きが続いていることから、米雇用統計を前にして、ポジション調整の動きが強まる可能性も考えられることから、下振れには注意したい。
10/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
25.6万件 | 25.4万件 |
前回は、市場予想を下回り、7週間連続で予想を下回る結果となった。25万件台が続いており、25万件台なら堅調さが維持されているとの見方が強まるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、日足ベースでトレンドライン、一目均衡表の基準線を上抜け、雲上限も上抜ける動きとなった。目先は、ここから雲上側の動きが継続し、堅調な動きが続くのか注目したい。雲上限を上抜けたことから、目先の上値目標の計算値は104.85となる。ただ、週明けから相場の方向性を示すとされる基準線が下向きに転換することから、週明けの動きには注目したい。再び雲の中の動きとなれば、軟調な動きとなる可能性も考えられる。ただ、週明けまでに104.31を上抜ける動きとなれば、基準線の上向き(横ばい含む)は継続することから、注目したい。
気まぐれ投資コラム
注目の米雇用統計の結果と反応は?
今週末の7日(金)は米雇用統計の発表が予定されています。米国の金融政策を予想する上で重要な経済指標として毎回注目されています。そして、結果を受けた動きが比較的大きいことから、トレーダーが注目する経済指標の一つにもなっています。
米金利先物市場で見ると、11月のFOMCでの利上げ確率は23.6%(10月5日現在)、12月のFOMCでの利上げ確率は63.6%(10月5日現在)となっており、マーケットでもイエレンFRB議長の会見がある12月の追加利上げ決定がコンセンサスとなっています。当然、12月までの経済指標の結果などが判断の対象となりますが、雇用統計は今回を含めてあと3回あることから、今回はやや注目度が通常より低下するとの見方も出ています。
先週から米当局者の発言が相次いでおり、それらの発言を受けて利上げ期待も高まっており、12月の利上げ確率は上昇傾向(9月26日51.0%→10月5日63.6%)となっています。そして、それに合わせるように、ドル/円も100.10(9月27日)から103.61(10月5日)まで上昇しており、やや利上げ期待を織り込み始めています。
このことから、今回の雇用統計で、市場予想通りから若干上回る程度の結果であるなら、それほど大きな動きにはつながらない可能性も考えられます。ただ、市場予想を下回り、やや懸念される結果となるようなら、ここまでの動きも加味され、やや下振れとなる可能性も想定しています。
※出所:SBIリクイディティ―・マーケット作成
※出所:SBIリクイディティ―・マーケット作成