前営業日トピックス
東京市場では、先週末の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。しかし、米国の利上げ観測が緩やかになるとの見方や、英国のEU離脱のリスクが再び意識されるなど、思惑が交錯する動きとなり、乱高下する場面もあった。その後は、海外市場まで小動きの展開が続いた。米国市場では、米製造業関連の経済指標が予想を上回る結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。ただ、終盤にかけては、もみ合いの展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末のドイツ銀行の経営に対する過度な懸念が後退したことが引き続き材料視され、円売りが先行した。日銀短観は、市場予想を下回り、前回から横ばいとなり、反応は限定的。また、日経平均株価が堅調な展開で始まったことも影響した。その後は、利益確定の動きから下落。
(2)仲値付近では、輸入企業のドル買い・円売りが見られた。そして、薄商いの中で急伸した後、急落するなど不安定な値動きとなった。その後は、狭いレンジ内の動きが続いた。
(3)黒田日銀総裁の発言は、目新しさに欠け、反応は限定的となった。また、独市場がGerman Unity Day(ドイツ統一記念日)で休場となったことなどもあり、小動きの展開が続いた。そして、米国市場では、米ISM製造業景況指数が予想以上の改善となったことを受けて、ドルが買われた。
(4)材料に乏しく、終盤まで小動きの展開が続いた。FOMCの投票権保有の米当局者の発言も、反応は限定的となった。
本日のトピックス
海外市場では、株価の動きがまちまちとなったことから、東京市場での株価の動きに注目したい。また、豪中銀の金融政策発表が予定されており、現状では政策金利の据え置きが予想されている。ただ、依然として年内の利下げの懸念も残っていることから、豪中銀の声明や、総裁の発言内容に注目したい。利下げの可能性が推測できるような発言などがあれば、豪ドルの下振れに繋がる可能性もあることから注意したい。米国市場では、主要な経済指標発表などの予定もなく、明日以降の主要な経済指標の発表や、週末の米雇用統計を控えて、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。そのため、株価や債券市場の動きなどがドル相場に影響する可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ポンド/円は、軟調な動きが一服し、値を戻す動きとなっている。先週末の下落と同程度の下げ幅(前回2.01円、今回1.86円)となり、ほぼ下値目標の水準に到達したと考えられる。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、ここから乖離幅が拡大すれば、上昇継続のシグナルとなる。目先の上値ポイントは、レジスタンスの130.73となり、ここを上抜ける場合には、一目均衡表の雲、トレンドライン近辺が目標となる、また、前回は雲上限ラインを完全(終値ベース)に上抜けていないことから、今回もやや意識されるだろう。また、上値目標の計算値は、131.59となる。