前営業日トピックス
東京市場では、海外市場での米当局者の発言やOPEC減産合意との報道が改めて材料視され、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、日経平均株価が上昇したことも影響し、堅調な動きが続いた。海外市場では、やや上値の重い動きが見られたものの、米GDPが予想を上回る結果となったことを好感し、ドルは堅調な動きとなった。また、原油価格の上昇も材料視され、クロス円も堅調な動きとなった。しかし、株価が急落したことから、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円も大きく下落する動きとなった。ドル/円は、101円台割れ近辺では値頃感の買い戻しも入った。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)複数の米FRB当局者の発言を受けて、年内の利上げが意識されたことや、OPECが8年ぶりとなる原油減産で合意したとの報道を材料に、序盤から円売りが先行した。また、仲値公示前後では、輸入企業のドル買い・円売りが観測されたこともドル円・クロス円を押し上げた。
(2)日経平均株が午後に入り一段の上昇となったことを受けて、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)上昇一巡後は、やや調整の動きも見られた。黒田日銀総裁の挨拶で「金融情勢も十分踏まえ、2%目標達成に適切なイールドカーブを追求」との発言も、目新しさに欠け、反応は限定的となった。米国市場では、GDPが予想を上回り、3四半期ぶりの大きな伸び率となったことを好感して、ドル買いとなった。
(4)ドイツ銀行のプライムブローカーサービスを利用する一部のヘッジファンドが、保有する上場デリバティブの一部を他社に移した、との報道を受けて主要株価が軒並み下落、リスク回避の動きから円が買われ、ドル円・クロス円も大幅下落となった。ドイツ銀行の米国預託証券が7.8%安と最安値を更新。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場で大きく下落した株価の影響が日本市場でも出るのか注目したい。そして、大きな下落に繋がるようなら、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。また、日本の主要な経済指標の発表が予定されていることから、こちらの結果には注目したい。海外市場では、ユーロ圏の主要国や、米国の主要な経済指標の発表が予定されており、前日まで続いた当局者の発言予定もないことから、指標結果に反応する可能性も考えられる。また、週末で積極的な動きに欠ける展開も考えられることから、株価や原油価格、債券利回りの動きに敏感に反応する可能性も考えられるため、こちらの動きにも注目したい。
9/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:45 | 米国 |
9月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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52.0 | 51.5 |
前回は、市場予想を下回り、3ヵ月ぶりの低水準となった。ただ、景気判断の基準となる50を3ヵ月連続で上回っており、改善の兆しが伺える。今回は、前回から若干の上昇が予想されているが、予想値は7月(55.8)、6月(56.8)程ではないことから、予想通りでも反応はやや限定的だろう。一方、50を下回る場合なら、下振れの可能性もある。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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90.0 | 89.8 |
前回は、市場予想(90.0)を若干下回ったものの、予想の範囲内の結果となった。今回も市場予想は90だが、今年の年間平均は91であり、大台乗せでもここ2年間の低水準域であることから、大きな反応は期待できないだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
豪ドル/円は、一目均衡表の雲近辺で底固い動きとなっており、ここから雲に沿って上昇となるのか、雲を下抜けて一段の下げとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線下向きとなっており、両線がゼロポイントを下抜ける場合には下げ継続のシグナルとなる。ただ、両線の乖離幅が縮小していることから、ここから縮小傾向が続くなら、先行するラインが上向きとなる可能性も考えられる。ただ、再び乖離幅が拡大するようだと、下抜けの警戒も必要だろう。