前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことから、序盤ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。その後、株価が上昇に転じたことや、中国の経済指標がまずまずの結果となったことから、値を戻す動きとなった。そして、米雇用統計を控えて様子見ムードがある中、米国の利上げ期待の高まりなどを背景に、ドルは比較的堅調な動きが続いた。米国市場では、序盤の経済指標がまずまずの結果となったことや、欧米の株価が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後の製造業関連の指標が悪化したことから、ドル売り・円買いが加速し、一段の下落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の流れを受けて、やや軟調な展開となった。また、日経平均株価が下落して始まったことも材料視され、ドル売り・円買いを後押しした。また、中国製造業PMIがまずまずの結果となったものの、相場への反応は限定的だった。
(2)下落して始まった日経平均株価がプラス圏に反発したことや、引き続き米国の利上げ期待を背景に、ドル買い・円売りが続いた。為替市場では、この日から、オプションや外為ノン・デリバラブル・フォワード(NDF)などのうち、市場を通さず金融機関同士が相対で行う店頭取引について、一定の証拠金を積むことが求められている。規制が適用されるのはグループベースの元本が420兆円超のメガバンクや大手証券会社に限られるが、きょうは初日の対応になるため、ドキュメンテーション等に時間が割かれ、その分、東京市場の流動性が低下したとの指摘も出ていた。
(3)米雇用、労働関連の経済指標の内容がまずまずの結果となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、欧米の株価が上昇したことも影響し、ドル/円は7月29日以来の高値を付ける動きとなった。
(4)米製造業関連の経済指標が市場予想を大きく下回る結果となったことから、ドル売り・円買いが優勢となった。特に、ここまでドル買いの動きが続いていたことから、その反動が出た可能性も考えられる。
本日のトピックス
東京市場では、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まる可能性が考えられる。ここまで利上げ期待の高まりから、ジリ高の傾向が続いたものの、昨晩の米経済指標の悪化から、やや動き難い展開だろう。米国市場では、米雇用統計の結果を受けて、利上げ期待が高まるのかどうかが注目されている。予想以上の結果なら、9月の利上げ期待が高まる可能性も考えられ、その場合には一段のドル上昇も考えられる。ただ、予想を下回る場合でも、年内の利上げ期待が後退しなければ、底固い動きとなる可能性もあるだろう。
9/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月失業率
労働力人口に占める失業者の割合で16歳以上の男女が調査対象。失業中の場合、就業が可能な状態か、過去4週間以内に求職活動を行ったかどうかで失業者かどうか判断される。
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4.8% | 4.9% |
前回は予想を上回り前月から横ばいとなった。完全雇用に近づいていることから、5.0%以下の水準ではそれほど大きな影響もないだろう。エコノミストの予想によれば、今回は前回から改善するとの予想が7割以上となっている。 | ||||
21:30 | 米国 |
8月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+18.0万人 | +25.5万人 |
前回は、市場予想を大きく上回り、2ヵ月連続で25万人以上の伸びとなった。利上げ判断の材料として注目されており、予想以上の結果となるようなら、20-21日のFOMCでの利上げ期待が高まる可能性もあり、必然的にドルが上昇するだろう。判断が難しいのは予想を下回るケースだろう。+15万程度なら、利上げ期待も大きく低下しないだろう。 |
本日のトレードポイント
ドル/円は、高値から反落となったが、一目均衡表の雲上限近辺で上値の重い動きとなっている。ただ、雲の中の動きとなっていることから、このまま雲の中の展開となるのか、再び雲を上抜けるのか注目したい。サポートの103.05を下抜ける場合には、雲下限ラインが下値のポイントとなる。また、雲上限を抜けてレジスタンスの103.41を抜ければ、直近高値の103.99が重要なポイントとなることから注目したい。