前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しいことや、今週末の米雇用統計を控えていることから、序盤から限定的な動きとなった。そして、麻生財務相の発言が牽制的と受け取られ、一時上昇する場面もあったが、日経平均株価が下落したことや、政府が経済対策を閣議決定したが、材料出尽くし感などから円買いの流れが続いた。海外市場では、日本市場に続き、欧米市場でも株価が軟調な動きとなったことから、リスク回避の動きが継続し、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は新規材料に乏しく、仲値公示までは積極的な売買が手控えられた。また、麻生財務相が、足元の為替水準についてコメントすることはないと述べたが、最近の為替市場は極めて神経質な動きとの見解を示し、振幅が激しいのは経済にあまり良いことではないと発言したことを受けて、堅調な動きも見られた。
(2)株価の軟調な動きが続き、午後には下げ幅を拡大する動きとなり、円買い・ドル売りが優勢となった。また、豪中銀が政策金利を1.75%から1.50%に引き下げたことから、豪ドルは主要通貨に対して下落した。また、日本政府が経済対策を閣議決定したとの報道があったが、サプライズも見当たらないことから、材料出尽くし感からドル売り・円買いが加速した。
(3)東京や欧米の株価下落を背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、円を買う動きが優勢となった。また、上昇していた原油価格が下落に転じたことや、米国債券利回りが低下したことから、日米の金利差縮小が意識されたことも、円買いを後押しした。
本日のトピックス
東京市場では、世界的に下落した株価が下げ止まるのか注目したい。そして、海外市場ではドル/円が100円台まで下落しており、実需を含めて値頃感の買いが入るか注目される。また、先月の日銀金融政策決定会合の議事録が公開予定となっており、金融政策に関する具体的な議論の内容にも注目したい。米国市場では、週末の米雇用統計を占う上で注目されているADP雇用統計の発表が予定されている。週末の雇用統計までは、様子見ムードが徐々に強まると考えられるが、こちらの結果を受けて動く可能性も想定しておきたい。また、下落が続いている原油価格の動向にも注意したい。
8/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
7月ADP雇用統計
民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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17.0万人 | 17.2万人 |
前回は市場予想を上回る結果となり、4月に付けた2013年4月以来の低水準からの改善が続いている。今回は、前回から若干低下するとの予想となっている。特に、週末の米雇用統計を占う上で注目されていることから、結果を受けた反応も比較的大きい傾向がある。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ISM非製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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56.0 | 56.5 |
前回は、市場の低下予想に反して大幅上昇となり、2014年2月以来の低水準から2015年11月以来の高水準まで大幅上昇となった。今回は、前回の反動からやや低下が予想されているが、予想の範囲内ならある程度好感されるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、サポートを下抜けて一段の下げとなった。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしていることから、一旦上昇する展開が考えられる。その場合の上値のポイントは、レジスタンスの101.96、この近辺には一目均衡表の基準線もあることから、ここを上抜けるようなら、雲下限ラインが次のポイントとなる。一方、100.67を下抜ける場合には、100円台の大台が心理的なポイントとなるが、下値目標の計算値では、99.28となることから注目したい。