前営業日トピックス
東京市場では、序盤に急速に下落する動きがあり、原因ははっきりしないが、誤発注ではないかとの話もあった。その後は急反発となった。ただ、日経平均株価が下落して始まったことや、日銀の金融政策発表を控えて思惑が交錯し、ドル円・クロス円はやや軟調な動きが続いた。そして、日銀が追加緩和を発表したことを受けて一時上昇となったが、やや不十分との見方も広まり、下落に転じた。米国市場では、主要な経済指標が予想を下回る結果となり、早期追加利上げに対する期待感が後退したとの思惑から軟調な動きとなった。ドル/円は、一時101.98まで下落し、7月8日以来の安値を付ける動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しく、やや薄商いの時間帯にドル/円を中心に急落となった。要因となりそうな新しいニュースもなく、海外ブローカーがドル/円のオーダーの桁を誤って入力した誤発注ではないかとの報道も出ていた。その後、急速に値を戻す動きとなった。
(2)日経平均株価が軟調な動きとなったことや、日銀の金融政策発表を控えて思惑も交錯し、やや軟調な動きとなった。そして、日銀の金融政策発表では、追加緩和策が発表されたことを受けて円売りが加速した。
(3)日銀の追加緩和策では、期待されていた国債買い入れの増額や、マイナス金利幅の拡大が盛り込まれなかったことから失望感が広がり、一転して円買いが優勢となった。
(4)日銀の金融政策発表を受けた動きも一服し、値頃感の買い戻しも見られた。また、序盤の欧州主要株価が堅調な動きとなったことも材料視された。
(5)米GDPが市場予想を大きく下回る結果となったことや、ミシガン大学消費者信頼感指数が冴えない結果となったこと、また米国債券利回りの低下が続いたことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前週末の流れを引き継ぎ、軟調な動きとなるのか、週替わりで値を戻す動きとなるのか注目したい。週明けでやや新規材料に乏しいものの、先週の日米の金融政策が再び材料視される可能性も考えられる。海外市場では、ユーロ圏主要国の製造業関連の経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。米国市場でも製造業関連の経済指標に注目したい。特に、週末に雇用統計の発表を控えていることもあり、結果を受けて思惑が交錯する可能性もあるだろう。
8/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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53.0 | 53.2 |
前回は、市場予想を上回る結果となり2015年5月以来の高水準となった。また判断基準となる50を4ヵ月連続で上回った。今回は、前回から若干の低下が予想されているものの、予想の範囲内(±1.0)の結果なら好調維持と判断されるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、前週末に7月8日以来の安値を付けたが、オシレーターのMACDでは先行するラインが上向きかけていることから、この後両線がクロスする動きとなれば、値を戻す動きとなる可能性も考えられる。目先の上値のポイントはレジスタンスの102.68となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。ただ、101.96を下抜ける場合には、一段の下げも想定しておきたい。