前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなった。特に、日本の経済対策が20兆円で調整されているとの報道を受けて、円売りが優勢となった。また、日経平均株価が堅調な動きとなったことも支援材料となった。ドル/円は6月7日以来の高値を付ける動きとなったが、その後は利益確定の円買いや、株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、軟調な動きとなった。また、日銀総裁がヘリコプターマネーは必要でも、可能でもないと発言したことを受けて、円買いが加速した。その後は、値を戻す動きが続き、米国市場序盤まで堅調な動きが続いた。ただ、7営業日連続で最高値を更新したダウ平均株価や、原油価格の下落が続いたことから円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本政府が経済対策の事業費を20兆円規模とする方向で調整しているとの報道を受けて堅調な動きとなった。また、日経平均株価が堅調な動きとなったことも、円売りを後押しした。
(2)日経平均株価が上値の重い動きとなり、上げ幅を縮小する動きとなったことを受けて、円買い戻しの動きとなった。また、利益確定のドル売り・円買いも加速した。そして、日銀総裁がヘリコプターマネーについて「必要も無く、可能性も無い」との見解を示したとの報道を受けて、一段の円買いとなった。そして、英ラジオのインタビューでの発言を受けて、改めて円が買われた。
(3)日本の金融環境の緩和を一段と推し進めることに大きな制限はないと考えを示したことや、値頃感の買い戻しも入り、値を戻す動きとなった。そして、米国市場では、米雇用関連の経済指標が市場予想より良好な結果となったことを受けて、ドルが買われた。
(4)前日まで7営業日連続で最高値を更新しているダウ平均株価が、利益確定の動きなどで下落したことや、原油価格の下落、米債券利回りの低下も影響し、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいことから、限定的な動きも考えられる。ただ、昨日は日本の金融政策に関する発言が報道されたことで動きが出ており、引き続き要人発言や、報道などには注意したい。また、前日の米国市場で株価が下落したこともあり、東京市場の株価動向にも注目したい。米国市場でも、本日は主要な経済指標の発表がないことや、週末で来週にFOMCや日銀金融政策発表を控えていることもあり、積極的な売買が手控えられる可能性も考えられる。ただ、薄商いとなる場合には、ニュースや他市場の動きが影響して、通常以上の大きな動きとなる可能性もあることから、注意も必要だろう。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜けているが、やや底固い動きも見られる。ここから値を戻す動きとなるのか、一段の下げとなるのか注目したい。現状は、下げ途中の小休止の持ち合いパターンで、現在が4波動目の上昇過程と見ることもできる。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、ここからの上昇も示唆する形となっている。このことから、目先は上昇となり、一目均衡表の雲近辺から持ち合いレンジ上限近辺まで上昇が考えられる。雲を完全に上抜けて一段の上昇となれば、重要なレジスタンスである107.78を目指す可能性も考えられる。ただ、一目均衡表の雲から持ち合いレンジ上限近辺で失速して下向きの展開となる場合には、5波動目の下げとなることから、レンジ下限を下抜ける場合には、小休止が終了して下げ継続となる可能性もあることから注目したい。