前営業日トピックス
東京市場では、利益確定の動きなどが先行し、序盤は軟調な動きとなった。ただ、104円台割れ近辺では、値頃感の買い戻しに加え、輸入企業のドル買いも加わり、堅調な動きとなった。また、日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったことも押し上げ要因となった。その後、日銀の追加緩和や、政府の大型景気対策に対する期待感を背景に、一段の上昇となった。海外市場では、経済指標が堅調な結果となったものの、上値の重い動きが続いた。なお、米ダウ平均株価は3営業日連続で最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)利益確定の動きや、輸出企業のドル売りなどで序盤は下押しとなった。ただ、104円を割り込むと輸入企業のドル買いなどが入り、もみ合いの動きとなった。また、日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったことから、堅調な動きとなった。
(2)新規材料に乏しい中、日本の追加緩和観測を背景に、円売りが優勢となった。また、駐スイス大使の本田悦朗氏が、バーナンキ前FRB議長と永久国債の発行について議論したとの報道も影響した。
(3)利益確定の動きや、円売りの動きが交錯し、もみ合いの展開が続いた。
(4)米経済指標が市場予想より良好な結果となったことから、ドル買いとなったものの、上値の重い動きとなった。また、米ダウ平均株価が最高値更新後に上げ幅を縮小する動きとなったこと、米債利回りが低下したことも影響し、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、中国のGDPなど主要な経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。ただ、先日の貿易収支同様に発表時間をずらす可能性も考えられることから、注意したい。また、前日の海外市場でも株価が大きく動いたことから、東京市場でも動きが出る可能性もあり、株価の動きにも注目したい。そして、週末で五十日(ごとおび)であることから、実需の動きが活発となる可能性もあり、仲値公示や引け近辺、大台乗せ、大台割れの動きには注意したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。また、本日も複数の当局者の発言が予定されていることから、発言内容などにも注目したい。
7/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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5.00 | 6.01 |
前回は、市場予想に反して上昇となった。新規受注や出荷が大きく上昇したことが全体を押し上げる結果となり、雇用などその他の指数は低下となった。今回は、前回からの低下が予想されているが、米景気の改善期待も出ていることから、大きな低下となる場合にはドル相場に影響する可能性も考えられることから注意したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.1% | 0.5% |
前回は、2015年3月以来の高水準となった4月の結果の反動で低下した。ただ、それでも過去1年間では、4月に次いで高い水準だった。個人消費の停滞懸念もあり、今回も低下が予想されている。ただ、3ヵ月ぶりのマイナスに落ち込む場合には、反応も大きくなる可能性もあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月消費者物価指数(前月比)
消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.2% |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、過去1年間の中では高水準を維持した。住宅やエネルギー価格の上昇もあり、今回は前回からの上昇も予想されている。また、前年比でも上昇が予想されているが、FRBの目標からは、まだ乖離していることから、反応は限定的だろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
7月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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93.0 | 93.5 |
前回の6月の確定値は市場予想を下回る結果となった。今回は、前回から若干の低下が予想されているが、米雇用統計が改善したことや、7月に入り米株価の上昇が鮮明となっていることから、消費者のマインドも改善している可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、もみ合いレンジを7波動目で上抜けて、一段の上昇となった。その後は、再びもみ合いの動きとなっている。目先は、トレンドラインや、サポートの104.98の下抜けに注目したい。オシレーターのMACDでは、両線下向きとなっており、ゼロポイントを下抜けるのか、前日同様にゼロ近辺で転換するのかにも注目したい。ゼロポイントを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。一方、上値のポイントは105.93となり、上抜けで一段の上昇も考えられる。