前営業日トピックス
東京市場では、前週末の米雇用統計や参院選の結果を受けて、序盤からやや堅調な動きとなった。序盤は、上値の重い動きが見られたものの、午後には、経済対策への期待感から日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったことなどを受けて、投資家のリスク志向の動きから円売りが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、海外市場でも株高の動きから円売りの流れが続いた。特に、米国市場では、前週末の米雇用統計の結果も再び材料視された。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の米雇用統計、参院議員選挙の結果を受けて、円売りが先行した。また、日経平均株価が上昇したことも影響した。ただ、前週末の雇用統計時も101円台で上値の重い動きとなったことが意識された。
(2)安倍首相が12日に石原経済再生相に経済対策の取りまとめを指示するとの報道を受けて、政策期待が一段と強まった。これを受けて、日経平均株価が一時700円以上の上昇となり、円売りが優勢となった。
(3)日本やアジア市場の株高を受けて、欧米の株価も上昇となり、リスク回避の円売りの流れが続いた。ダウ平均株価は137ドル高まで上昇し、S&P500は取引時間中の最高値を更新した。そして、ドル/円は終盤まで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、閣僚懇談会で具体的な経済対策や補正規模がどのくらいになるのか注目したい。そして、引き続き株価が堅調な動きとなれば、ドル円・クロス円も堅調な動きとなる可能性もある。ただ、ドル/円では103円台ミドル近辺で上値の重い動きとなる可能性もあることから、この近辺での動きに注目したい。欧州市場は、英国のEU離脱に絡む懸念もやや一服しており、新たな懸念が出てくるまでは、株価主導の動きが続く可能性が考えられる。そして、米国市場では、経済指標の発表が予定されているが、米国の景気回復に対する期待が高まるような結果であれば、ドル買い・円売りの流れが続く可能性もあるだろう。特に、本日から週末までは、複数の米当局者の発言が続く(ブラックアウトを控えて)ことから、発言の内容に注目したい。
7/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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550.0万件 | 578.8万件 |
前回は、市場予想を上回り、2015年7月に並び、過去最高となった。今回は、その反動で低下が予想されているものの、依然として高水準域にあることから、ネガティブな反応は限定的だろう。ただ、前回、雇用された労働者数は前月から減少したことから、今月も低下が続くようなら、ややネガティブな反応が出る可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、堅調な動きが続いた後、やや上値の重いもみ合いの動きが続いている。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、ここから両線の乖離幅の拡大傾向が続く場合には、軟調な動きが続く可能性も考えられる。その場合の下値のポイントは、サポートの77.12となる。ここを下抜ける場合には、76.62(38.2%押し)、76.32(50%押し)近辺が次の下値のポイントとなる。一方、レジスタンスの77.59を上抜ける場合には、一段の上昇となる可能性も想定しておきたい。