前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場が休場だったことから新規材料に乏しく、序盤は狭いレンジ内の動きとなった。その後、日経平均株価が下落したことや、米長期金利の低下を背景に日米の金利差の縮小も意識され、円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、英国のEU離脱に伴う欧州経済の先行き不安などを背景に、リスク回避の円買いの動きが続いた。米国市場でも欧米の株価下落などが意識され、円買いの動きが優勢となった。特に、ポンド/円は2012年12月以来の安値を付ける動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国市場が休場となり、新規材料に乏しく、序盤は小動きの展開が続いた。その後、日経平均株価が下落したことを受けて円買いが優勢となった。また、米長期金利の低下を背景に日米の金利差の縮小も意識され、円買い・ドル売りが優勢となった。商業決済の集中しやすい五・十日にあたり、仲値公示にかけて実需筋のドル買いが期待されたが、様子見なのかあまり目立たなかった。
(2)欧州経済の先行きに対する不安感や、欧州主要株価が下落したことが嫌気され、リスク回避の円買いの動きが続いた。
(3)下落が続いた反動で値を戻す動きとなったものの、欧米の株価の下落が続いたことや、英国がEU離脱に向かうことを背景に、世界経済の先行き不安から再び円買いが強まった。
(4)米株価が軟調な動きとなったことから、上値の重い動きが続いたが、終盤には株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル/円は値を戻す動きとなった。また、英中銀が追加の金融緩和に踏み切るとの見方が広がったことから、ポンドは対円で2012年12月以来の安値、対ドルでは1985年6月以来31年ぶりの安値を付ける動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、引き続き英国や欧州の先行き不透明感を背景に、投資家のリスク回避の動きが続くのか注目したい。特に、株価が軟調に推移する場合には、投資家のリスク回避の動きが継続する可能性も考えられる。米国市場では、米国の金融政策を決定するFOMCの議事録が公表される予定であり、FOMCでは利上げのペースは一段と緩やかになるとの見方が示されたが、それに関してどのような議論があったのか注目したい。
7/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月ISM非製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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53.3 | 52.9 |
前回は、市場予想に反して悪化となり、2014年2月以来の低水準に落ち込んだ。新規受注が5.7ポイントと大きく低下したことや、雇用が3ヵ月ぶりに50を割り込んだことが影響した。今回は、前回からの改善が予想されているが、大きく落ち込んだ項目の改善がどこまで進んだか注目される。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC議事録公表[6月14-15日分]
米FOMC議事録公表とはFOMCの議事録で、各政策決定日の3週間後(夏時間:日本時間午前3時、冬時間:日本時間午前4時)に公表される。
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6月のFOMCでは、利上げが見送られ、利上げのペースは一段と緩やかになるとの見方が示されており、また英国の国民投票(投票前)への懸念も示された。米国の経済、外部要因に関してどのような議論があったのか注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜けて一段の下落となった。オシレーターのMACDでは両線がクロスとなり、上向きとなったことから、目先値を戻す動きも考えられる。目先の上値は、38.2%戻しの76.32近辺となる。特に、基準線の下降が続くことから、基準線の上抜けも加われば、一段の上昇も考えられる。ただ、サポートの75.65を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。