前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅の大半を帳消しにしたことや、英国のEU離脱は英国経済に大きな打撃を与えるとの格付け会社の見解もリスク回避の動きを高めた。その後は、値を戻す動きとなったものの、海外時間に英中銀総裁が金融緩和などの可能性を示唆したことや、ECBが追加緩和を実施するために、資産購入ルールの緩和を検討しているとの関係者の話を受けて、ポンドやユーロが下落となり、相対的に円が買われる動きとなった。一方で、欧米の株価が上げ幅を拡大する動きとなったことが材料視され、その後は終盤まで円を売る動きが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)欧米の株価上昇が材料視され、海外市場の流れを受けて堅調な動きとなった。一方、英ポンドは、格付け会社が、英国のEU離脱は英国経済に大きな打撃を与えるとの見解を示したことが嫌気され、ギャップダウンとなった。月末・四半期末であることから、輸出企業のドル売り・円買い、輸入企業のドル買い・円売りが出ており、仲値公示近辺では売り買いが交錯する動きとなった。
(2)前日比で200円以上上昇した日経平均株価が下落に転じたことや、米国の追加利上げが遠のいたとの思惑から円買い戻しの動きが優勢となった。
(3)下落して始まった欧州主要株価がプラス圏まで上昇したこともあり、ドル/円も上昇したものの、限定的な動きが続いた。米新規失業保険申請件数が市場予想より若干悪化したこともやや圧迫要因となった。
(4)カーニー英中銀総裁が、8月の金融緩和、9月までの資金供給の継続に言及したことや、ECBが追加緩和を実施するために、資産購入ルールの緩和を検討しているとの関係者の話を受けて、ポンドやユーロが売られ、相対的に円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(5)欧米の株価や米債券利回りの上昇を受けて、円売りが優勢となった。
本日のトピックス
週末でやや限定的な動きも考えられるが、日本や中国、欧州主要国の経済指標の発表も予定されており、結果を受けて株価の動きなどに注目したい。特に、このところ株価の動きに為替相場が左右される展開が顕著になっていることから、株価の動きにも注目したい。そして、先週の大幅な下落の反動で値を戻す動きが続いているものの、英国のEU離脱決定に伴う世界経済の先行き不透明感も依然として根強いことから、週末を迎えてやや上値は限定的となる可能性も考えられる。
7/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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51.3 | 51.3 |
前回は、市場予想を上回る結果となり、3ヵ月連続で判断基準の50を上回る結果となった。今回は、前回から横ばいが予想されているが、このところの製造業関連の経済指標は、予想を大きく上回る結果が続いていることから、当該指数も予想以上の改善となることも期待される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、一目均衡表の雲の中に入り込んでいるが、雲下限ライン近辺で底固い動きが続いている。目先は、雲のレンジ(幅)が狭くなっており、どちら側に抜けるのかに注目したい、上抜ける場合には、前日も抵抗となったレジスタンスの139.00が次のポイントとなり、その上には週明けのギャップ埋めの139.42もある。一方、下抜ける場合には、サポートの135.86がポイントとなる。