前営業日トピックス
トルコのイスタンブールでの空港爆弾テロを受けて、リスク回避の動きも出ており、東京市場の序盤から円買いの動きが先行した。また、米国の年内の追加利上げ観測が後退したとの見方もドル売り・円買いの動きを後押しした。その後、下げ一服後は値を戻す動きとなり、また欧米の株価が大幅続伸となったことも円売りに拍車をかけた。そして、米国市場では、米個人支出が比較的堅調な結果となったこともあり、比較的堅調な動きが続いた。ただ、102円台後半では、引き続き上値の重い動きが続いた。終盤には、原油価格や米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トルコの空港爆弾テロや、英国のEU離脱に関する不透明感を背景に、円買いの動きが優勢となった。日経平均株価が堅調な動きとなり値を戻す場面もあったが、円買い圧力も強く、軟調な動きが続いた。
(2)下げ一巡後は、値を戻す動きが優勢となった。また、欧州主要株価が大幅続伸して始まったことを受けて、リスク回避の動きが和らぎ、円売りが優勢となった。
(3)欧米の株価上昇に加え、米経済指標が比較的堅調な結果となったことを受けて、ドル/円は堅調な動きとなった。
(4)新規材料に乏しく、102円台後半で上値の重い動きとなり、利益確定の動きも見られた。しかし、堅調な株価動向や米国債利回りの上昇を受けて、ドル円・クロス円は終盤に再び堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、引き続き株価の動きに注目だが、昨日はやや為替相場と反比例となる動きも見られた。要因の一つに、米国の年内の追加利上げの可能性が後退しているとの見方が広がっていることで、ドル売り・株買いとなったことも挙げられる。ただ、株価の上昇が続けば、投資家のリスク容認度も高まり、円売りの動きが継続する可能性も考えられる。また、ユーロ、ポンドに対する自国通貨高抑制のための市場介入など、金融政策に関連する動きも出ており、複雑な動きが続く可能性もあり、全体的に方向性の見極めが難しくなっている。そのため、方向性には十分注意したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、限定的な反応が考えられ、また株価や債券市場の動きにも注目したい。
6/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.7万件 | 25.9万件 |
前回は、市場予想以上に改善し、約2ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、前回からの増加が予想されているものの、引き続き堅調な水準が続くと考えられる。そして、市場予想から大きく乖離する結果とならなければ、為替市場への影響は限定的だろう。 | ||||
22:45 | 米国 |
6月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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51.0 | 49.3 |
前回は、市場予想を下回り、2月以来の50台割れとなった。今回は、再び50台への回復が予想されている。そして、このところの製造業関連の指標は予想を大きく上回る結果も続いていることから、今回も予想以上の結果となれば、反応も大きくなる可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、一目均衡表の雲上限を上抜けたが、やや上値の重い動きとなっている。雲上限ラインが下向きとなったことや、週明けに開けたギャップが上値を抑えている。目先は、週明けのギャップを完全に埋めるかどうかに注目したい。ギャップ埋めとなる139.42に到達し、ここを完全に上抜けるようなら一段の上昇も考えられる。ただ、この近辺で失速して軟調な動きとなる場合には、雲上限ラインを目指す可能性も考えられる。そして、トレンドラインや、雲を下抜ける動きとなるようなら、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。