海外市場の堅調な流れが一服し、序盤は小動きの展開となったが、日経平均株価が下落したことから、ドル/円は一段の下げとなった。ただ、その後は株価がプラス圏まで値を戻し、上げ幅を拡大する動きとなったことから、円売りが優勢となった。一旦下落した後も欧州株が堅調な動きとなったことで、再び堅調な動きとなった。米国市場では、米国の経済指標が市場予想通りとなったものの、いずれも懸念の残る内容だったことから、ドルが売られる動きとなった。また、米債券利回りが低下したこともドル売りを加速させる要因となった。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）新規材料に乏しい中、日経平均株価が下落したことから、円買いが先行した。その後は株価が堅調な動きとなったことから、投資家がリスク志向を強め、相対的に安全な通貨とされる、円売り・ドル買いが優勢となった。
（2）午後に入りやや軟調な動きが見られたものの、欧州株が堅調な動きとなったことから、再び円売りの動きが優勢となった。
（3）米国市場では、米非農業部門労働生産性が2四半期連続のマイナスとなったことからドルが売られた。また、その後は材料に乏しい中、米債券利回りの低下を受けて、日米金利差縮小が意識され、ドル売り・円買いが優勢となった。

東京市場では、日本のGDPや景気関連の経済指標の結果に注目したい。また、中国の主要な経済指標の発表も予定されており、事前の予想では改善が見込まれているが、結果には注意したい。一方、米国市場では、雇用関連の経済指標が予定されているが、市場予想と乖離しなければ反応は限定的だろう。そして、注目のイベント（雇用統計、イエレン議長講演）終了後で方向感が定まっておらず、重要な経済指標の発表もないことから、他の市場の動きに左右される可能性も考えられる。特に、昨日50ドル台に回復した原油価格や、18000ドル台で上値の重い動きとなった米ダウ平均、そして、昨日最も材料視された米債券市場の動きにも注目したい。

時間	国・地域	経済指標・イベント	予想	前回
23:00	米国	4月JOLT労働調査[求人件数] 米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。	567.5万件	575.7万件
		前回は、市場予想を大幅に上回り、データ集計開始以来2番目の高水準（2015年7月以来の高水準）となった。また、解雇者数も大きく低下し、昨年7月以来の低水準となった。今回は、若干の低下が予想されているものの、依然として高水準が続いており、懸念要因とはならないだろう。また、前回のように予想外の増加となり、過去最高の578.8万件（昨年7月）を上抜けるようなことがあれば、好感される可能性があるだろう。

※出所：FX総合分析チャート1時間足

ユーロ/円は、高値から一段の下げとなり、上昇分の半値押し近辺まで下落後、やや底固い動きとなっている。ここから一旦の調整が終了となり、再び堅調な動きとなるのか、小休止後に再び軟調な動きとなるのかを見極めたい。目先の上値のポイントは、レジスタンスの122.00、122.22がポイントとなり、ここを上抜ける場合には、122.68を目指す動きも考えられる。一方、下値のポイントは一目均衡表の雲上限ライン、下限ライン近辺となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。