前営業日トピックス
東京市場では、序盤小動きの展開が続いたが、サミットの首脳宣言を受けて、一時円売りが優勢となり、円が主要通貨に対して下落する動きとなった。ただ、その後は、消費増税の延期発表が月内にもあると期待されていたが、安倍首相が参院選の前に明らかにすると発言したことや、株価が下落したこともあり、円を買い戻す動きが優勢となった。米国市場では、イエレンFRB議長が早期の利上げの可能性に言及したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇する動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)サミットの首脳宣言の「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済・金融の安定に悪影響を与えうる」との文言を受けて、円売りが優勢となった。ただ、110円台では、実需のドル売りも意識されており、110円台手前で失速した。
(2)安倍首相が消費増税問題について「引き上げの是非も含めて参院選の前に明らかにする」とし、増税先送り発表が期待されていたことから、やや円が買われる動きとなった。また、上昇していた日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、欧州主要株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)GDP、個人消費が予想を下回る結果となったことから、米景気への楽観的な見方がやや後退し、ドル売り・円買いが先行した。
(4)ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったものの、前月から改善となったことから下げ幅は限定的となった。そして、ハーバード大でのイベントでイエレンFRB議長が「今後数ヵ月以内の利上げは適切になる」との見方を示したことを受けて、ドルが主要通貨に対して買われた。
本日のトピックス
東京市場では、週明けの新規材料に乏しい中、先週末のイエレンFRB議長の発言が改めて材料視される可能性もあり注目したい。ただ、月末を迎えていることから、110円台では実需の円買い・ドル売り圧力が強まる可能性もあることから、仲値公示近辺の動きに注目したい。また、海外市場では、英国、米国市場が休場となることから限定的な動きとなる可能性も考えられる。
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート日足
ドル/円は、一目均衡表の雲下限ライン近辺で上値の重い動きが続いており、完全に雲の中に入り込み、雲上抜けを試すのか、又は上値の重い動きが続き、下げに転じるのかを見極めたい。オシレーターのMACDでは、両線上向きで、先行するラインはすでにゼロラインを上抜けており、遅行するラインがゼロラインを上抜けるようなら、上昇継続のシグナルとなる。雲上限ラインを上抜ける場合には、111.88が目先の上値目標となり、ここも上抜けるようなら、2015年6月1日高値125.85から2016年5月2日安値105.54までの下げに対する38.2%戻しの113.30を目指す展開となる可能性も考えられる。一方、下値のポイントは、108.23となる。