前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国の経済指標結果や米株高を背景に序盤からドル買い・円売りが先行した。その後は、利益確定の円買い戻しなどもあり、上値の重い動きも見られた。ただ、欧州の株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。また、米国市場では、米国の主要な経済指標の発表が無いものの、米株価や原油価格が大きく上昇したことを受けて、ドル/円は一段高となった。ただ、その後は原油価格が乱高下したことや、値頃感のドル売りなどもあり、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国の経済指標が好調だったため、米国が6月に利上げするとの観測が材料視され、序盤から堅調な動きとなった。そして、五十日(ごとおび)で仲値公示までは、実需の買いのフローも見られたが、値動きが限定的となった。また、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値を1ドル=6.5693元と5年ぶりの元安水準に設定したが、こちらも反応は限定的となった。
(2)欧州主要株価が軒並み堅調な動きとなったことを受けて、投資家のリスク志向の動きから円を売る動きが優勢となった。
(3)米国の主要な経済指標の発表がなく、材料に乏しい中、米株価や原油価格が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も堅調な展開が続いた。また、石油在庫統計で原油在庫が予想以上に減少したことを受けて、原油価格は49.62ドルまで上昇した。
(4)NY原油は、利益確定売りなどから48.65ドルまで急落し、ドル円も上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の東京市場では、仲値公示前までは五十日(ごとおび)の実需の動きが比較的活発だったが、仲値公示後は減少し、マーケットへの影響は限定的だった。ただ、値頃感(110円台)などもあり、引き続き仲値公示近辺の動きには注目したい。また、昨日中国人民銀行の人民元の対ドル基準値設定が5年ぶりの元安水準に設定され、マーケットでは久しぶりに話題となった。反応は限定的だったものの、一応引き続き警戒はしておきたい。一方、ここまで米国経済の堅調さと、早期の利上げ期待を背景に、ドルは比較的堅調な動きが続いているが、ここにきてやや懐疑的な見方も出始めている。このことから、本日発表される米国の主要な経済指標の結果を見極めたいとの向きも多く、結果に注目が集まっている。そして、昨日も、複数の米当局者の発言があったが、反応は限定的だった。本日も複数の当局者の発言が予定されていることから、発言内容には注目したい。
5/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 27.8万件 |
前々週の予想外の大幅悪化からの反動で前週は改善した。悪化は一時的であることから、影響は限定的であり、引き続き安定的な労働市場を示唆する結果が予想されている。大きな改善や悪化が無ければ、反応は限定的だろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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0.5% | 0.8% |
前回は、マイナスからの改善が見られた。ただ、昨年末から不安定な結果が続いており、改善の兆しが見極めにくい状況である。原油価格の上昇が続いており、製造業の回復も見られることから、今回は2ヵ月連続のプラスが予想されており、予想通りの結果となれば、改善の兆しとの思惑も出てくる可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けて一段の上昇となったものの、ここに来てやや上値の重い動きとなっている。現状では、サポートライン(79.06)や一目均衡表の雲上限ラインが意識され、ここを下抜けて一段の下げとなるのか、レジスタンス(79.49)を上抜けて一段の上昇となるのか見極めたい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスして下向きに転換している。ここから乖離幅を拡大してゼロポイントを下抜ける動きとなれば、雲下抜けの可能性も考えられる。