前営業日トピックス
東京市場では、日本のGDP発表を控えて様子見ムードもあり、序盤は小動きの展開となった。そして、1-3月期のGDPが予想を上回る結果となり、日銀が追加緩和に踏み切るとの観測がやや後退したことから、円買い・ドル売りが優勢となった。ただ、米国の早期利上げ観測も根強いことや、下落して始まった日経平均株価がプラス圏に反発したことなどを受けて、終盤まで円売り・ドル買いが続いた。NY市場では、米国の利上げ観測が意識され、米長期債利回りが上昇したことからドル買い・円売りが優勢となった。そして、注目された米FOMC議事録では、6月の利上げの可能性が議論されていたことを受けて、早期の利上げ期待が高まり、ドル/円は110.26まで上昇する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)1-3月期の日本のGDPが市場予想を上回る結果となったことを受けて、日銀の追加緩和観測がやや後退し、円を買ってドルを売る動きが優勢となった。
(2)日経平均株価がプラス圏に上昇したことや、米国の利上げ観測も根強く、ドルを買い戻す動きとなった。
(3)欧州市場では堅調な流れが一服し、やや上値の重い動きとなった。米国市場に入ると、早期の追加利上げへの警戒感から、米長期債利回りが急上昇となったことで、日米金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。
(4)FOMC議事録で6月の利上げの可能性が示されていたことが好感され、ドル/円は110円台まで上昇。一方、米株価は下落、米債利回りは上昇となった。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場で米国の利上げ期待が高まったことを受けて、株価の動きに注目したい。為替市場では、週初からの当局者の発言などを受けて、利上げ期待がやや織り込まれていた面もあり、海外市場での上昇分でやや上値はいっぱいか。そして、明日から開催されるG7(財務相・中央銀行総裁会議)を控えて様子見ムードも強まる可能性が考えられる。米財務相は、円高局面で円売り介入に対する牽制的なコメントもしたが、現状は介入の水準ではない。ただ、ドル高・円安に動くことは米国にとってはあまり好ましいことではないことから、思惑が交錯し、円安方向に動き難いと考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているものの、予想外の結果とならなければ反応は限定的と考えられる。ただ、利上げに対する期待感が高まる場合には一段の上昇の可能性も想定しておきたい。
5/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 29.4万件 |
前回は、市場予想を上回り、2015年2月以来の高水準に悪化した。今回は、改善が予想されているが、反応はやや限定的だろう。ただ、62週間連続で30万件を下回る結果が続いていることから、30万件台に悪化する場合にはインパクトが高まる可能性もあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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3.0 | -1.6 |
前回は、予想に反して再びマイナスに低下した。前々回に市場予想を大幅に上回り、7ヵ月ぶりのプラスとなった反動が出たと考えられる。今回は、再びプラス改善が予想されている。構成指数では、前回雇用者数が大きく悪化しており、こちらが改善するのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ポンド/円は、堅調な展開が続いているが、ローソク足の足型でコマ足が続いていることや、オシレーターのMACDで両線の乖離幅が縮小傾向であり、先行するラインが失速していることから、両線がクロスとなれば軟調な動きとなる可能性が考えられる。下値のポイントは、159.42(38.2%押し)、158.97(一目均衡表計算値)がポイントとなる。上値のポイントは、重要レジスタンスの160.93、ここを上抜ける場合には一段の上昇も想定しておきたい。