前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、序盤は堅調な動きが見られたものの、急速に円安が進んだ反動から利益確定の円買い・ドル売りが優勢となった。そして、日経平均株価が上昇して始まったことから値を戻す動きも見られたが、その後株価がマイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。午後には、値を戻す場面もあったが、日経平均株価が再び軟調な動きとなったことや、欧州主要株価が下落して始まったことが嫌気され、上値の重い動きとなった。欧州市場では、やや値を戻す動きも見られたが、欧米の株価や原油価格が下落したことが改めて材料視され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、石油在庫統計を受けて原油価格が2ドル以上上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きが見られた。しかし、終盤にかけて株価が下げ幅を縮小したことから、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤やや上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が240円以上の上昇となったことを好感して、ドル円・クロス円は堅調な動きも見られた。しかし、株価が下落に転じ、マイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円も一転して大きく下げる動きとなった。
(2)日経平均株価が上値の重い動きが続いたことや、欧州主要株価が下落して始まったことも影響し、一段の下げとなった。
(3)海外市場に入り、再び値を戻す動きとなったものの、米国市場では、欧米の株価や原油価格の下落を材料に、軟調な動きとなった。
(4)米国の石油在庫統計で、原油、ガソリン在庫が減少したことを受けて、原油価格が2ドル以上上昇したことから、円売りとなったものの、株価が下げ幅を拡大したことを受けて、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の東京市場は、株価の動きに左右される動きとなった。本日は、序盤から日本の重要な経済指標の発表が続くことから、結果を受けて株価への影響に注目したい。株価が下落するようなら、円買いの動きが続く可能性も考えられる。そして、海外市場では、英国の金融政策発表が予定されており、政策の変更は無いものの、声明などでEU残留・離脱を巡る国民投票が成長の圧迫要因となっているとの懸念が示される場合には、ポンド相場に影響する可能性も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。そして、引き続き原油価格や株価の動向にも注意したい。
5/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.0万件 | 27.4万件 |
前回は、5週間ぶりの高水準となり、増加幅では2015年1月以来の大きさとなった。前々週に、1973年以来の低水準となった反動で増加が続いているが、25万件台〜27万件台の推移が続いており、この範囲内の数値であれば、それほど大きな反応は見られないだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月輸入物価指数(前月比)
輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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0.6% | 0.2% |
前回は、原油安やドル安の影響を受けて8ヵ月連続のマイナスが続いたが、原油価格の反転などもあり、9ヵ月ぶりのプラスとなった。3月以上に原油価格は上昇していることから、物価上昇は続くと見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限ラインを下抜けて、雲の中の展開となっている。目先は、どこまで下押しするのか注目したい。現状では、雲下限近辺、38.2%押し近辺が重要なポイントとなる。ここを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられることから注目したい。また、この近辺で底固い動きとなり、雲上限ラインを上抜ける場合には、レジスタンスの109.36を目指す可能性も考えられる。