前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の株高や、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、休み明けで新規材料に乏しい中、やや上値の重い動きが続いた。また、政府・日銀当局者の発言があったものの、反応はやや限定的となった。その後は、値頃感の買い戻しや、円売り介入への警戒感も意識され、小動きながら堅調な動きとなった。欧州市場でも堅調な株価動向を受けて、円売りの流れが続いた。米国市場では、主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、序盤に108.59まで上昇した。ただ、東京市場から1円以上の上昇となったことから、やや上値を警戒する動きも見られ、その後は上値の重い動きが続いた。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の株価上昇や、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、参院決算委員会で、麻生財務相は為替相場の過度な変動に関して、「われわれとしては当然、介入する用意があるということを申し上げるということになる」と語った。しかし、繰り返しの発言であることもあり、反応は限定的となった。
(2)日本や欧州の堅調な株価動向を背景に、リスク選好の動きから円売りが優勢となった。また、前月末に大きく円高となった動きの反動もあり、円売りの動きが続いた。米国市場では、新規材料が乏しく、欧州市場の流れを引き継ぐ動きとなった。
(3)その後は、上昇していた株価が下落したことなどから上値の重い動きとなり、終盤までもみ合いの展開が続いた。
本日のトピックス
東京市場では、前日からドル円・クロス円が堅調な動きとなったこともあり、やや一服感から上値の重い動きとなる可能性も考えられる。その中で、株価が堅調な動きとなる場合には、底固い動きとなる可能性もあるだろう。ただ、中国の物価関連の経済指標発表が予定されており、結果には注目したい。海外市場では、ユーロ圏の主要国や米国で主要な経済指標の発表も予定されているが、反応はやや限定的だろう。ただ、ドル/円は、連休前からの大幅下落に対して半値(108.71)程度値を戻す動きとなったことから、一旦この辺りで目先の方向性を探る展開も予想され、新規材料や、要人発言などに対する過敏な反応にも注意が必要だろう。
5/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月卸売在庫(前月比) ![]()
製造業、卸売業、小売業の各業種の在庫状況を表す指標であり、各業種別に耐久財と非耐久財に分けて発表される。
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0.1% | -0.5% |
ここまで5ヵ月連続のマイナスとなっており、特に前回は2013年5月以来の低水準となった。今回は半年ぶりにプラスに改善すると予想されており、予想通りプラスに改善すれば米経済にとって好感される可能性もあるだろう。ただ、マイナスが続く場合には、先行きに対する懸念が残るだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月JOLT労働調査[求人件数] ![]()
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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540.0万件 | 544.5万件 |
前回は、昨年7月以来の高水準から反落したが、今回も若干の低下が予想されている。求人の件数ベースでは低下しているものの、依然として高水準を維持していることや、雇用の増加が続いていることから、懸念要因にはなり難いだろう。ただ、予想以上の悪化となる場合には、多少ドル相場に影響する可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、108円台まで上昇したものの、やや上値の重い動きとなっている。106.43から2円以上の上昇となっており、105.54から107.49までの上昇とほぼ同程度の上昇を達成したことや、連休前からの下落に対してほぼ半値戻しとなっていることから、やや一服感も出ている。オシレーターのMACDでは、両線がクロスし、先行するラインが下向きとなっていることから、一旦軟調な動きとなる可能性も考えられる。ここから両線の乖離幅が拡大すれば、一段の下げも考えられる。下値のポイントは、38.2%押し、50.0%押し近辺と考えられ、後者を下抜ける場合には、一目均衡表の雲近辺までの下げも想定しておきたい。