前営業日トピックス
東京市場では、序盤に大きく上昇した日経平均株価が一時マイナス圏まで下落する動きとなったことや、中国株の下落を背景に、投資家がリスク回避の姿勢を強め、比較的安全な資産とされる円を買う動きが優勢となった。その後は、下落が続いた反動や、下落して始まった欧州株がプラス圏に上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、住宅関連の経済指標が予想を上回ったものの、反応は限定的となった。その後、原油価格が急上昇となり、株価も堅調な動きとなったことが好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本の貿易収支が2ヵ月連続の黒字となり、円買いが入る一方、株価が前日比200円以上、上昇となったことから、円売りも出ており、序盤はやや限定的な動きとなった。そして、株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから円買いの動きが活発となったが、商業決済などの実需筋のドル買いが下支え要因となり、底固い動きも見られた。しかし、仲値公示後はドル買いも薄れ、円買いが優勢となった。
(2)格付け会社が日本国債の格付けを据え置き、見通しを「安定的」としたことや、下落して始まった欧州株がプラスに転じる動きとなったことを受けて円売りが優勢となった。
(3)産油国会合を5月にロシアで開催する可能性が指摘されたことを受けて、増産凍結に期待感が広がったことから、原油価格が1バレル=1.5ドル以上の上昇となったことを受けて、円売りが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な経済指標の発表がないことや、ECB理事会を控えていることから、様子見ムードが強まる可能性も考えられ、やや限定的な動きも予想される。ただ、株価や原油価格の動きが大きくなる場合には、その動きに敏感に反応する可能性も考えられることから注意したい。海外市場では、ECB理事会が予定されており、前回大規模な緩和策を打ち出していることから、今回は変更なしがコンセンサスとなっている。ただ、その後のドラギECB総裁の発言には注目したい。米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、ECB総裁の会見と重なることから、単独での反応はやや限定的だろう。
4/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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20:45 | 欧州 |
ECB理事会 政策金利発表
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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0.00% | 0.00% |
前回は、3つの政策金利引き下げと量的緩和の購入増額を発表した。ただ、利下げは当面打ち止めと発言したことから、ユーロ安を反転させた。今回は、前回大規模緩和を打ち出したばかりであることから、政策の現状維持がコンセンサスとなっている。ただ、21:30からのドラギECB総裁の発言では、緩和策の拡大を示唆することは無いだろうが、期間延長には触れる可能性もあることから注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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9.0 | 12.4 |
前回は、マイナス予想に反して大きく改善し、7ヵ月ぶりのプラスとなり、1年1ヵ月ぶりの高水準となった。今回は、前回の反動からやや後退するとの予想だが、プラスは維持されそうである。特に、前回大幅な伸びとなった要因である新規受注、出荷に注目したい。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.5万件 | 25.3万件 |
前回は、2週連続で減少となり、1973年以来の連続記録となった。今回は、やや増加が見込まれているものの、大きく悪化とはならず、堅調な結果が続くだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲上限近辺で反発となり、レジスタンスの109.48を上抜けて一段の上昇となった。そして、やや上値の重い動きとなっているが、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、また先行するラインが失速していることから、ここから両線がクロスする場合には、上値の重い動きとなる可能性も考えられる。下値のポイントは、上抜けたレジスタンスの延長線上がサポートポイントとなり、そこを下抜ける場合には、一目均衡表の雲上限近辺が次のポイントとなるだろう。