前営業日トピックス
米国の利上げが緩やかに進むとの観測が強まっている一方、日銀の金融緩和が限界に近づいているとの見方もあり、日米の金利差が縮小するとの思惑から円買いが続いており、東京市場でも序盤から軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、400円以上の下落となったことから、円を買う動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。そして、110円台前半では底固い動きとなり、要人発言を受けて反発する場面もあった。米国市場では、主要な経済指標の発表があったものの、反応は限定的となった。ただ、安倍首相の発言が電子版で報じられたことに反応し、ドル/円は一時109.96まで下落し、2014/10/31以来の安値を付ける動きとなった。その後、値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場での原油安、株安、ドル安の連鎖が意識され、序盤から軟調な動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まり、400円以上の下落となったことを受けて、円買いが優勢となった。
(2)菅官房長官が、財務省・日銀・金融庁の幹部会合で意見交換したと述べ、市場の動きを引き続き注視し、適切な対応をとる態勢を維持したいとの発言が報道されたことを受けて、ドル/円は一旦上昇となった。しかし、反応は一時的となり、その後も軟調な動きが続いた。ただ、米国市場を前にやや値を戻す動きも見られた。
(3)米経済指標は、予想の範囲内の結果となり、やや反応は限定的となった。その後、安倍首相がインタビューで「外国為替市場で恣意的な介入は控えるべきだ」と述べたと米紙電子版が報じたことに反応し、円買いが優勢となり、一時110円割れまで下落した。
(4)110円台割れでは、値頃感などの買いが入り値を戻したものの、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日大きく下落した日経平均株価が反発するのかどうか注目される。また、中国の経済指標の発表が予定されており、結果には注目したい。世界経済の減速懸念が意識されていることもあり、株価の下落や中国の経済指標が低下するようなら、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、3月のFOMCの議事録が公開される。FOMCの声明では、年内の利上げ見通しなどが下方修正されるなど、ハト派的内容となったが、改めて追加利上げの後退観測が意識されるようなら、ドル売り・円買いが進む可能性も想定しておきたい。また、昨日比較的静かな動きとなっていた原油相場だが、本日は米国の石油在庫統計が発表されることから、結果を受けて動く可能性があり、注目したい。
4/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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3:00 | 米国 |
FOMC議事録公表[3月15-16日分] |
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FOMCの結果発表では、年内の利上げ見通しが昨年12月の4回から2回に下方修正されたことや、GDPなども下方修正されたことを受けてドルが下落した。早期の追加利上げの後退観測が広がる中、改めてハト派的な見方が強まるようなら、為替相場にも影響する可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、下げ途中の小休止も持ち合いパターンと見ることができる。現状では、5波動目の下げとなるのか注目したい。そして、持ち合いレンジ下限を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。一方、レンジ上限を上抜けてトレンドラインも上抜けるようなら、反発となる可能性もあることから、目先の方向性を見極めたい。