前営業日トピックス
東京市場では、前週末の流れを引き継ぎ、序盤から軟調な展開で始まった。米国の追加利上げペースが緩やかになるとの見方を背景に、ドル売り・円買いが続いており、ドル/円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が軟調な動きとなったことも影響した。その後は、値頃感から買い戻しの動きもあったが、米国市場では、新規材料に乏しい中、再び米国の追加利上げペースが緩やかになるとの見方や、原油価格の下落を背景に、軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国が早期に追加利上げに踏み切るとの見方が後退したことから、ドル売り・円買いが続いており、東京市場でもその流れが引き継いだ動きとなっている。午後には、日経平均株価が軟調な動きとなったことも材料視され、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。
(2)先週末から続いた下落を受けて、割安感などからドルを買い戻す動きも見られた。また、欧州株が堅調な動きとなったことも影響し、値を戻す動きとなった。
(3)米国市場では、改めて米国の追加利上げペースが緩やかになるとの見方を背景に、上値の重い動きが続いた。また、米経済指標が芳しい結果ではなかったことや、米国債利回りが低下したことも影響し、軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、やや新規材料に乏しい中、前日の米国市場で株価が軟調な動きとなったことから、東京市場の株価動向に注目したい。また、欧州市場では、ユーロ圏主要国のサービス業関連の経済指標の発表に注目したい。一方、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されているが、2月分の経済指標の結果は株価が原油価格の影響で悪化する可能性があるものの、それ以降分の結果は改善が予想されている。前者の反応はやや限定的と考えられるが、予想以上の結果となる場合には動きが大きくなる可能性も想定しておきたい。また、下落が続いている原油価格の動きにも注目したい。
4/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月貿易収支
米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-462.0億USD | -456.8億USD |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続の赤字拡大となった。また、輸出・輸入とも2011年以来の低水準に落ち込んだ。2月は、1月より原油価格やドルの平均値が低いことから、赤字が拡大する可能性が考えられ、市場予想でも赤字の拡大が予想されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
2月JOLT労働調査[求人件数]
米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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549.0万件 | 554.1万件 |
前回は、市場予想を上回り、昨年7月以来の高水準となった。今回は、前回から低下が予想されているが、労働市場の懸念が高まるような結果にはなり難い。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月IBD/TIPP景気楽観指数
米インベスターズ・ビジネス・デーリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス社がまとめて発表する消費者関連指数。ミシガン大やコンファレンスボードの消費者信頼感指数の先行指標として注目されている。消費者信頼感指数と同様に50が判断の基準となり、50を上回ると楽観的と判断する。
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47.5 | 46.8 |
前回は、市場予想を下回り、4ヵ月ぶりの低水準となった。現状の景気見通しが2ヵ月連続で悪化していることなどが要因となった。このところの株価上昇などを受けて、消費者のマインドが好転している可能性も考えられる。ただ、景気を楽観的と判断する50の回復はまだ先だろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM非製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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54.1 | 53.4 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、4ヵ月連続の悪化となり、2014年2月以来の低水準となった。3月はダウ平均株価が1,000ドル以上上昇していることなどから、改善が期待されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、一目均衡表の雲下限を下抜けて、一段の下げが続いている。ここから一旦の戻りとなるのか、一段の下げとなるのか注目したい。目先の上値のポイントは、レジスタンスの127.10で、ここを上抜ける場合には、一旦の戻りとなる可能性が考えられ、雲下限近辺までの上昇が考えられる。下値は、サポートの126.44となり、ここを下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。