前営業日トピックス
前日のイエレンFRB議長の講演でのハト派発言を受けて、早期の利上げ観測が後退したとの見方が広がりドル売りが続いており、東京市場でもこの流れを引き継ぎドルは軟調な動きとなっている。ただ、期末の実需のドル買いも見られ、値を戻す場面もあった。しかし、日経平均株価の下落が続いたことから、投資家のリスク回避の動きも強まり、ドル/円は軟調な動きが続いた。米国市場では、ADP雇用統計が予想を上回る結果となったことから、ドルは堅調な動きとなったが、上昇していた原油価格が下落に転じたことから、やや円を買い戻す動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)イエレンFRB議長のハト派的な発言を受けて、米国の早期利上げ期待が後退したことが引き続き材料となり、ドル売り・円買いが続いた。ただ、月末の五十日(ごとおび)ということで実需筋のフロー流入も観測、仲値公示前後で輸入企業のドル買い・円売りがやや優勢となる場面もあった。その後、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、円売りが優勢となった。
(2)欧米の主要株価が堅調な動きとなったことや、下げが続いた反動から値を戻す動きとなった。また、米ADP雇用統計で雇用者数の伸びが予想を上回ったことも好感された。
(3)原油価格が高値から1ドル以上の下落となったことや、株価が上げ幅を縮小したことを受けて、終盤までやや軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、年度末の実需関連の駆け込みのフローなども考えられることから、仲値前後の動きには注意したい。また、日本の主要な経済指標の発表も控えており、株価に影響が出るようなら、為替市場にも影響があるだろう。また、海外市場では、ユーロ圏の主要国や米国の経済指標の発表が予定されていることから、こちらの結果にも注目したい。そして、本日も米国の金融当局者の講演が予定されており、金融政策に関する発言をする可能性があることから、発言内容やマーケットの反応に注目したい。
3/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.5万件 | 26.5万件 |
前回は、市場予想を下回り、ここまで7週連続で予想を下回る結果が続いている。今回は、前回から横ばいが予想されているが、祝日もあったことから、予想以上の減少となる可能性も考えられる。 | ||||
22:45 | 米国 |
3月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ地区の製造業の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。
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50.8 | 47.6 |
前回は、前々回に大幅上昇(42.9→55.6)となった反動もあり、再び基準となる50を割り込む結果となった。今回は、再び50を上回ると予想されており、最近の製造業関連の指標の改善が続いていることも期待を高めるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一段の下げとなったが、その後値を戻す動きとなっている。現状では、ややもみ合いとなっているが、ここから更に戻りが続くのかどうかに注目したい。目先の上値のポイントは38.2%戻し、半値戻し、61.8%戻しが目安となる。しかし、ここから再び軟調な動きとなる場合や、38.2%近辺までの戻りに留まり、その後軟調な動きとなる場合には、112.01円を試す可能性も考えられる。そして、112.01円を下抜ける場合には、さらに一段の下げとなる可能性も考えられる。