前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことから、序盤は円が買われる動きも見られた。その後は、月末を控えた本邦輸入企業のドル買い・円売りを受けて、ドル/円は堅調な動きとなった。そして、終盤までは、最近のドル安を受けた利益確定の動きも加わり、もみ合いの展開が続いた。米国市場では、米経済指標が予想を上回る結果となったものの、イエレンFRB議長の講演での発言を控えて、反応は限定的となった。そして、イエレンFRB議長が講演で、利上げに対して慎重姿勢を示したことから、ドルは一段の下落となった。ただ、株価が上昇に転じたことから、クロス円は比較的堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が、序盤185円安まで下落したことを受けてドル/円は軟調な動きとなった。その後、仲値公示前後には、決算期末を控えた国内輸入企業の円売りドル買い取引が優勢となり、終盤まで堅調な動きが続いた。
(2)米国市場では、イエレンFRB議長の講演を控えて様子見ムードが強まり、やや調整の動きが優勢となった。米消費者信頼感指数が予想以上に改善したものの、反応は限定的となった。
(3)イエレンFRB議長は、エコノミッククラブでの講演で、経済・金融環境は利上げを開始した昨年12月と比較し、若干悪化しているとの認識を示した。また、利上げに関して慎重な姿勢を示したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落する動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、材料に乏しい中、引き続き月末・期末を控えた実需の動きが出る可能性も考えられることから、仲値公示前後の動きには注意したい。海外市場では、ユーロ圏の経済指標の発表が予定されているが、反応は限定的だろう。ただ、米国の民間の雇用統計の発表が予定されており、週末の米雇用統計の結果を占う意味で注目されている。また、昨日も大きな動きが見られた原油価格の動向や、米当局者の発言機会も予定されていることから、発言内容などにも注目したい。
3/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:15 | 米国 |
3月ADP雇用統計
民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
|
19.5万人 | 21.4万人 |
前回は、サービス業が好調となったことを受けて、全体で市場予想を上回る結果となった。今回は、19.5万人と、+20万人を下回る予想となっている。原油価格の上昇傾向を背景に、エネルギー産業や製造業分野の改善の兆候が見られるか注目されており、改善が見られれば予想以上の結果も期待できる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を下抜けて一段の下げとなった。そして、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小傾向であることから、先行するラインが上向きとなり、両線がクロスする場合には、一段の上昇となる可能性も考えられる。目先の上値は、一目均衡表の雲下限ライン近辺となる。雲下限ラインを上抜ける場合には、堅調な動きが続く可能性も考えられるが、下限ライン近辺で失速する場合や、届かずに反落となる場合には軟調な動きが続く可能性も考えられる。