前営業日トピックス
前日の米国時間に米当局者のタカ派的発言を受けて、ドルが堅調な動きとなった流れから、休場明けの東京市場でも序盤は112円台まで上昇する動きとなった。ただ、112円台では上値の重い動きとなり、その後は111.80円台から112.10円台でのもみ合いの展開が続いた。そして、ベルギーの首都ブリュッセルの空港や地下鉄の駅で複数回の爆発が起こるなど、同時テロにより投資家のリスク回避の動きが強まり、比較的安全とされる円を買う動きが優勢となった。米国市場序盤は、上値の重い動きが続いたものの、午後には株価がプラス圏まで反発したことや、原油価格が堅調な動きとなったこと、また米長期債利回りが急上昇となったことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国時間のFRB高官のタカ派的な発言が引き続き材料視され、112円台まで上昇。日経平均株価が上昇して始まったものの、仲値公示にかけては円を買い戻す動きが優勢となった。
(2)112円台で上値の重い動きが続く一方、堅調な株価動向を背景に底固い動きも続いた。
(3)ベルギーのブリュッセル空港、地下鉄の駅で複数回爆発が発生したとの報道を受けて、リスク回避の動きが強まった。
(4)米国市場でも、序盤はテロに対する神経質な動きが続いたが、下落した株価が午後にプラス圏まで上昇したこと、米国債利回りが上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な経済指標の発表もなく新規材料に乏しい中、前日のベルギーでの同時テロの影響が前日大きく上昇した株式市場に出る場合には、為替相場への影響も考えられる。また、欧州市場でも影響が残る場合にも注意したい。米国市場は、週末に欧米市場がイースター休暇となることから、やや薄商いとなりつつある。その中で、主要な住宅関連の経済指標の発表があるものの、予想と乖離した結果とならない限りは、反応は限定的と考えられる。
3/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月新築住宅販売件数
米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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51.0万件 | 49.4万件 |
前回は、市場予想を下回り、3ヵ月ぶりに50万件を下回る結果となった。10ヵ月ぶりの高水準となった前月からの反動が指摘された。ただ、前回の悪化は西部地区の落ち込みが影響しており、全体的な落ち込みに対する懸念は限定的だろう。今回は、再び大台の50万件台への回復が予想されており、予想通り大台を回復するかが注目される。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
NZドル/円は、一目均衡表の雲を上抜けたものの、再び雲の中に入り込む動きとなっており、前回同様に上値の重い動きとなっている。ここから前回同様に雲下限を下抜ける展開となるのか、完全に上抜けて一段の上昇となるのか注目したい。上抜ける場合には、レジスタンスとなる75.93近辺を完全に上抜けるかどうかに注目したい。一方、雲下限を下抜ける場合には、再び75円台前半や75円割れ近辺を目指す可能性も考えられる。特に、オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が小さいものの、両線がクロスする場合には下げ加速となる可能性もあることから、注意したい。