前営業日トピックス
週明けで新規材料に乏しい中、序盤はやや軟調な動きとなった。しかし、日本の機械受注の良好な結果や、日経平均株価の上昇を背景に、投資家のリスク志向も強まり、仲値公示後まで堅調な展開が続いた。しかし、日銀の金融政策発表などを控えて様子見ムードが強まっていることから上値の重い動きが続いた。その後、原油価格の下落を受けて、ドル円・クロス円は一段の下落となった。海外市場では、欧州市場の主要株価が上昇したことを受けて、序盤は堅調な動きが見られた。しかし、米経済指標の発表もなく、新規材料に乏しい中、原油価格や株価が軟調な動きとなったことから、上値の重い動きが続いた。ただ、終盤には原油価格が下げ幅を縮小し、株価がプラス圏まで反発したことを受けて値を戻す動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤軟調な展開で始まったものの、日本の機械受注が予想以上に伸びたことや、日経平均株価が前週末比200円以上上昇して始まったことを受けて一段の上昇となった。
(2)日銀やFOMCの金融政策発表を控えて様子見ムードがある一方、114円台近辺の値頃感の売りに押されて反落。原油価格の下落を背景に、円買いが優勢となる。
(3)欧州市場では、株価動向が意識されて堅調な動きも。米国市場では、原油価格や株価の下落を受けて上値の重い動きが続いた。ただ、終盤には株価がプラス圏まで反発し、原油価格も下げ幅を縮小したことを受けてやや堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日は、週明けで新規材料に乏しく、やや限定的な動きが続いた。本日は、主要な経済指標の発表も予定されており、結果により動きが出る可能性が考えられる。特に、東京市場では、日銀の金融政策発表と黒田総裁の会見が予定されている。市場では、現状維持が予想されているが、ECBが一段の追加緩和を決定したことから、一部では追加緩和を予想する向きもある。そして、現状維持となった場合でも、黒田総裁が会見で追加緩和の可能性を示唆する場合には大きく動く可能性も想定しておきたい。ただ、翌日には米国の金融政策発表も控えていることから、限定的な動きも考えられる。また、米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果を受けてFOMCの思惑につながる可能性もあることから注目したい。また、昨日も大きく動き、ドル円・クロス円の動きに影響を与えた原油相場の動向にも注意したい。
3/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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-0.1% | 0.2% |
前回は、市場予想の0.1%を上回る結果となった。今回は、5ヵ月ぶりのマイナスが予想されており、予想通りマイナスまで悪化する場合には、FOMCの結果発表に対する思惑に影響する可能性も考えられる。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。 製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。 |
-11.50 | -16.64 |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月連続の2桁マイナス、加えて7ヵ月連続のマイナスとなった。いまだに米国の製造業の改善が見られず、今回も2桁マイナスが予想されている。単独では、すでに織り込み済みであることから、反応は限定的と考えられるが、同時刻に発表される指標も加われば、改めて意識される可能性もあるだろう。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月NAHB住宅市場指数
全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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59 | 58 |
米経済指標の中では、比較的堅調な結果が続いていたものの、昨年10月以降低下傾向が続いており、前回は9ヵ月ぶりの低水準となった。今回は、前回からの改善が予想されているが、60の大台を回復するかどうかが今回のポイントとなるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、トレンドラインを下抜けて一段の下げとなった。ただ、一目均衡表の雲上限近辺で底固い動きとなっており、ここから上限ラインに沿って上昇となるのか、雲の中に入り込み軟調な動きとなるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線のクロス間近となっており、クロスして乖離幅が拡大となれば、堅調な動きを示唆する形となる。その場合、重要レジスタンスの85.85を上抜けるのか注目したい。一方、下値はサポートの85.22、雲下限ラインの下抜けに注目したい。