前営業日トピックス
東京市場では、序盤に堅調な動きとなったものの、日経平均株価が下落して始まったことや、仲値公示にかけて実需の円買いなどから、やや軟調な動きとなった。その後、株価が下げ幅を縮小し、値を戻す動きとなったものの上値は重く、一段の下げとなる場面もあった。しかし、欧米の株価が堅調な動きとなったことや、原油価格が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、米国市場では、米経済指標はまちまちの結果となったものの、米石油在庫統計で、原油在庫が予想以上に減少したことを好感して、原油価格が一段の上昇となったことが円売りを後押しした。ただ、終盤にNZ中銀が予想外の利下げを発表したことから、NZドルは大きく下落する動きとなった。また、隣国通貨の豪ドルもやや影響を受けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が250円以上の下落となったことや、仲値公示にかけて本邦輸出企業のドル売り・円買いも影響し、ドル円はやや軟調な動きとなった。
(2)午後に日経平均株価が下げ幅を縮小したことから値を戻す動きも見られたが、リスク回避や決算を見越した、レパトリエーション(資金の本国還流)の動きも観測された。
(3)欧米の株価や原油価格が堅調な動きとなり、円売り・ドル買いが優勢となった。また、原油在庫統計を受けて、原油価格の上げ幅が拡大したことも円売りを加速させた。
本日のトピックス
本日は、中国の経済指標の発表が予定されており、結果を受けて動く可能性が考えられることから、注意したい。また、ユーロ圏主要国の主要な経済指標の発表や、ECB理事会に注目も集まっている。特に、追加緩和の可能性が予想されているECB政策発表では、預金金利の引き下げだけなのか、それ以外の政策も変更があるのかに注目したい。また、ECB総裁の定例会見も予定されており、発言内容にも注目したい。そして、連日大きく動きの出ている原油価格の動向にも注意したい。
3/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:45 | 欧州 |
ECB理事会 金融政策発表 |
0.05% | 0.05% |
政策金利は据え置きが予想されているが、預金ファシリティ金利は、現行の-0.3%から-0.4%への利下げ、資産購入額は月間600億ユーロから100億ユーロ程度の増加、また購入対象の資産拡大や購入期間の延長なども変更される可能性が考えられる。一部では、預金ファシリティ金利の-0.5%への引き下げや、資産購入額の200億ユーロの増加を予想する向きもある。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数-3/5 |
27.5万件 | 27.8万件 |
前回は、市場予想を上回り、2週連続の増加となった。今回は前回から若干の改善が予想されているが、現状では予想外の結果とならなければやや反応も薄いだろう。 |