前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な流れを受けて、序盤はやや上値の重い動きとなった。日銀総裁の発言や株安を背景に、ドル/円は一段の下落となった。しかし、株価が反転したことや、日銀総裁が追加緩和の可能性に言及したことから円が売られ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。海外市場序盤は、米雇用統計を控えて様子見ムードも強く、小動きの展開が続いた。米国市場では、雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回る結果となり、ドルが買われたものの、賃金の伸びが悪化したことや、米株価が下落したことなどもあり、一転して下落した。しかし、株価がプラスに転じ、8週間ぶりの高値を付けたことや、原油価格が上昇したことも影響し、ドル円・クロス円は大きく反発する動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が下落して始まったことや、黒田日銀総裁が「マイナス金利幅の拡大は、今考えていない」としたことから円が買われる動きとなった。
(2)日経平均株価がプラス圏に反発したことや、その後上げ幅を拡大する動きとなったことから、円売りが優勢となった。午後の参議院予算委員会で黒田日銀総裁が「量的・質的金融緩和に限界が来ているということはない」としたことも円売りの支援材料となった。
(3)米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を上回る結果となったものの、賃金の伸びが悪化したことが嫌気され、ドルが売られた。また、株価が下落して始まったことも材料視された。
(4)米ダウ平均株価がプラスに転換したことや、その後8週間ぶりに17000ドル台に回復したことを受けて、投資家のリスク志向が強まり、円売りが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、イベント終了後の週明けであることから、やや限定的な動きが予想される。ただ、中国全人代(全国人民代表大会)の結果発表により、株価に影響が出る可能性も考えられ、株価が大きく動く場合には、必然的に為替市場にも影響するだろう。海外市場では、米国の主要な経済指標の発表もなく、新規材料に乏しいことから、株価や原油価格の動きに左右される展開が予想される。
3/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月労働市場情勢指数 ![]()
19種類の統計を基に算出される。失業率と民間部門の雇用者に重点が置かれており、労働参加率や賃金、雇用・解雇なども考慮される。労働省による毎月の雇用統計発表後の最初の営業日に発表される。
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1.0 | 0.4 |
先週末の米雇用統計で雇用者数の伸びが予想を上回る結果となったものの、当該指数の構成要素である賃金や解雇に関する指標がやや悪化したことから、指数の上昇はやや限定的となるだろう。マーケットへの影響は限定的と考えられる。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート日足
ドル/円は、日足ベースでもみ合いの展開が続いている。これを下げ途中の小休止持ち合いと見ることもできる。現在4波動目の上昇が終了し、次の5波動目の下げの動きで下限ラインを下抜ける場合には、一段の下落が予想される。 また、ダブルボトム・パターンと見れば、目先の重要ポイントは114.87である。ここを上抜ける場合にはパターンが完成し、一段の上昇が考えられる。その場合の上値目標の計算値は、118.75と計算できる。どちらのパターンなのか、見極めたい。