前営業日トピックス
東京市場では、序盤に米国の要人発言や次期大統領候補が米紙へ寄稿した内容が明らかとなり、ややドル売り・円買いが先行した。また、日経平均株価が下落したことも影響した。その後は、ドルの買い戻しの動きなどから反発する場面もあったが、アジア市場の株価下落を受け、欧米の主要株価も大きく下落したことや、米住宅関連の経済指標が予想以上の悪化となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、原油在庫統計を受けて、下落していた原油価格が大きく反発し、株価や長期債利回りが軒並み上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は大きく反発する動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官が、日本や中国が為替操作を行っているとの認識を示した上で、自身が大統領に就任した場合は対抗措置を検討すると米紙に寄稿したことを受けて、ドル売り・円買いが広がった。また、日経平均株価が下落したことも影響した。FRB副議長の発言は、予想とほぼ合致する内容で反応は限定的となった。
(2)下落が続いた反動や、111円台の値頃感が意識されたことから、反発する動きとなった。
(3)欧州主要株価や、米株価先物が大きく下落したこと、また原油価格が軟調な動きとなったことも影響して、ドル/円は軟調な動きが続いた。
(4)原油価格や株価の下落に加え、米新築住宅販売件数が予想以上に悪化したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
(5)米国の石油在庫統計を受けて、原油価格が1ドル以上の反発となったことや、ダウ平均株価が安値から340ドル以上上昇したことを受けて、リスク回避の動きが後退した。また、米長期債利回りが大きく上昇したこともドルを押し上げる要因となった。
本日のトピックス
昨晩の海外市場では、原油価格の大幅上昇が株価や米債利回りの上昇につながり、ドル円・クロス円は大きく上昇する動きとなった。しかしながら、原油の供給過剰観測が続いており、引き続き乱高下には注意したい。また、G20を控えて、市場の鎮静化を図るための協調策が議論される可能性がある一方、通貨安競争が牽制される可能性もあり、その場合には日本の追加緩和に対する思惑が後退する場合もあるだろう。そのため、週末までは各国要人の発言(牽制目的など)には引き続き注目したい。また、米国市場で大きく反発した株価の影響が、前日安値引けした日本やアジア、欧州の株価にどう影響するのかにも注目したい。
2/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
27.0万件 | 26.2万件 |
前回は、予想以上の改善となり、昨年11/21の週以来の低水準となった。今回は、前回からやや増加が予想されている。ただ、ここまで2週連続で市場の予想以上の改善となっており、やや期待感もある。 | ||||
22:30 | 米国 |
1月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
|
2.6% | -5.0% |
前回は、大幅なマイナスとなり、2014年8月以来の低水準となった。今回は、3ヵ月ぶりにプラス改善が予想されているものの、原油価格は12月に比べて一段と低下していることから、影響が残る可能性も想定しておきたい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、下値ライン近辺まで下落したものの反発し、一目均衡表の雲下限手前まで上昇している。目先は、レジスタンスや雲下限ラインを上抜けて、雲の上側の展開となるのか注目したい。オシレーターのMACDは、両線クロスして上向きとなっており、ゼロラインを超えられるのかに注目したい。下値のポイントである重要なサポートの延長ラインや、直近安値の下抜けには注意したい。