前営業日トピックス
東京市場が大晦日で休場となり、新規材料に乏しい中、アジア市場のドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。海外市場では、アジア市場の流れを引き継ぎ、序盤は小動きの展開となった。しかし、欧米の株価が軟調な動きとなったことや、シカゴ購買部協会景気指数が予想外の大幅悪化となったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、薄商いであることから、やや荒っぽい動きも見られた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)年末で市場参加者も少ないことから、アジア市場から小動きの展開が続いた。
(2)米国市場でも、序盤は小動きの展開となったが、シカゴ購買部協会景気指数が2009年7月以来の低水準に悪化したことや、株価が下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)その後は、株価動向に左右される動きとなったが、薄商いであることから、やや乱高下する動きも見られた。
本日のトピックス
年末年始の休み明けであることから、東京市場ではやや限定的な動きが予想される。海外市場では、週明けから主要な経済指標の発表が予定されており、週末に米雇用統計の発表を控えていることなどから、結果次第では動きが出る可能性も考えられる。
1/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月ISM製造業景況指数
全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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49.0 | 48.6 |
ここまで5ヵ月連続の低下となっており、前回は2012年12月以来の50割れ、2009年6月以来の低水準に落ち込んでいる。今回は、前回からの改善が予想されているが、景気拡大・縮小の判断基準となる50を上回るか注目される。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月建設支出(前月比)
米国の民間・公共の建設支出について算出されたものであり、住宅建設、商業施設建設、公共施設建設という区分ごとに集計されている。
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0.7% | 1.0% |
3ヵ月連続で市場予想を上回っており、比較的堅調な結果が続いている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート日足
ユーロ/円は、日足ベースで一目均衡表の雲下限ラインに沿って下落している。オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを下抜けており、下げ継続のシグナルとなっていることから、目先の動きに注目したい。雲下限ラインから乖離して下げる場合には、目先129.66のサポートラインがポイントとなり、ここを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。一方、雲の中の動きとなり、レジスタンスを上抜ける場合には、雲上限ラインやトレンドラインが上値のポイントとなる。
気まぐれ投資コラム
トレード戦略〜利乗せ売買
利乗せ売買は、最初のポジションに利益が発生し、尚且つトレンドが継続する場合に、利益を上乗せしてポジションを取り直し、利益の拡大を図る手法です。ただし、利益を上乗せしてポジションを拡大することにより、利益率は上がりますが、相場がアゲインストに動いた場合には損失の拡大も大きくなるというリスクを伴います。そのため、ロスカットをしっかり設定するなどのリスク・コントロールが重要となります。
【上図を使った例】
レジスタンス・ラインを上抜け、相場上昇を予測し、Aで新規ポジションを取りました。思惑通り相場が上昇し、Bで手仕舞い、さらに上昇トレンドは継続するとの予測から、利乗せ売買を試みた場合のシミュレーションをしてみると、以下のような結果となります。なお、取引証拠金を1万通貨単位=5万円と仮定します。
A.121.00で20万通貨の新規買い(証拠金100万円)
B.122.00で121.00の買いポジションを手仕舞い(1円幅 × 20万通貨 = 20万円)
利益20万円 + 証拠金100万円 = 120万円
122.00で24万通貨の新規買い(証拠金120万円)
C.123.00で122.00の買いポジションを手仕舞い(1円幅 × 24万通貨 = 24万円)
利益24万円 + 証拠金120万円 = 144万円
123.00で28万通貨の新規買い(証拠金140万円・残 金4万円)
D.124.00で123.00の買いポジションを手仕舞い(1円幅 × 28万通貨 = 28万円)
利益28万円 + 証拠金140万円 + 残金4万円=172万円
124.00で34万通貨の新規買い(証拠金170万円・残金 2万円)
E.125.00で124.00の買いポジションを手仕舞い(1円幅 × 34万通貨 = 34万円)
利益34万円 + 証拠金170万円 + 残金2万円 = 206万円)
上記のシミュレーションで考えれば、Aのポジションの利益が20万円ですが、これを次の最大リスク容認金額(元金を痛めないように利益を最大損失額とする)とします。Bの新規ポジションが24万通貨ですので、20万円(利益)÷24万通貨=0.83円幅となりますので、Bの新規ポジションは121.17が損益分岐点となります。そして、CではAとBの利益が44万円、新規ポジションが28万通貨ですので、損益分岐点121.43となります。また、DではA・B・Cの利益が72万円、新規ポジションが34万通貨ですので、損益分岐点121.88となります。ただ、仮にDでポジションを取り、ストップオーダーを121.88に設定した後に相場が大きく崩れ、121.88まで下落した場合には、今までの利益を失ってしまいます。そのようなトレードでは意味がありません。そのために損失をコントロールすることが必要です。例えば、直前の利益金額のみをリスク容認金額にするなど、利益を確保しながら買い上がるなど相場の状況に応じて手法も変化させます(少しでも利益金を残しながらトレードする)。また、トレンドラインやサポート、レジスタンスなど、テクニカル分析上のシグナルを参考にストップオーダーを設定して無用な損失を排除することも有効です。