前営業日トピックス
東京市場では、週明けで材料に乏しい中、序盤は小動きの展開となった。しかし、日経平均株価が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、午後に入ると、上海株やアジア株が上昇したことを受けて、日経平均株価も上昇に転じ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国市場では、序盤の米経済指標が予想を下回る結果となったことや、堅調な展開で始まった株価がマイナス圏まで下落したことを受けて、ドル/円は一段の上昇となった。その後、株価が値を戻したが、上値の重い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場の序盤は、日経平均株価が300円以上の下落となったことを受けて、ドル/円は軟調な動きとなった。その後は、上海、アジア株が堅調な動きとなり、日経平均株価も下げ幅を大きく縮小したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
(2)米国市場では、序盤のシカゴ活動指数が予想外のマイナスとなったことや、143ドル高まで上昇したダウ平均がマイナス圏まで下落したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)株価が再び堅調な動きとなり、ドル円・クロス円も再び上昇するものの、株価が安定せず、上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
アジア市場や欧米市場でも、昨日は新規材料に乏しい中、株価動向に左右される動きとなった。本日も株価動向には注目したい。特に、海外市場では、クリスマス休暇を控えて市場参加者も少なくなりつつあることから、その傾向が顕著に出る可能性も考えられる。ただ、本日は、米国のGDPや個人消費、住宅関連の重要指標の発表も予定されていることから、結果発表時には売買が集中する可能性も考えられる。しかし、それ以降は比較的小動きの展開が予想される。
12/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
3Q GDP(前期比年率)
一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
|
1.9% | 2.1% |
前回の改定値は、市場予想通り速報値から上方修正となった。企業利益が落ち込んだものの、労働者所得が増加した。今回の確定値は、改定値からの下方修正が予想されており、FOMCメンバーの予想である2.0%〜2.2%を維持できるのか注目したい。また、個人消費は、前回下方修正されたものの、引き続き堅調さを維持しており、今回の結果にも注目したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月 中古住宅販売件数
所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標である。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
|
534万件 | 536万件 |
前回は、市場予想を下回り、2007年2月以来の高水準近辺から低下した。ただ、住宅市場に懸念が出る程ではなく、引き続き500万件を上回る高水準が継続すると予想されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月 リッチモンド連銀製造業指数
米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。
|
-1 | -3 |
前回は、市場予想に反してマイナスとなり、3ヵ月連続のマイナスとなった。引き続き、製造業の鈍化傾向に対する懸念が根強く、当該指標は4ヵ月連続のマイナスが予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/円は、小動きながら堅調な展開が続いており、一目均衡表の雲の中での展開が続いている。オシレーターのMACDでは、両線がゼロポイントを上抜けているが、両線の乖離幅は拡大しないまま上昇していることから、流れが変わりやすい形状であることからやや注意したい。目先は、一目均衡表の雲上限ラインを上抜けるのかどうかに注目したい。ここを上抜ける場合には、一段の上昇も考えられる。ただ、この近辺には50%戻しのポイントもあることから、やや上値の重い動きとなる可能性も考えられることから、注目したい。
気まぐれ投資コラム
トレード戦略〜ピラミッティング(1) スケールダウン
『勝ちを最大限に、負けを最小限にする』これは、以前紹介したラリー・ウィリアムズ氏の格言です。「勝ちを最大限に、負けを最小限にする」⇒「相場予測が的中した時にどれだけ資金を増大させ、相場予測がはずれた時にどれだけ資金の減少を抑えるか」。ここでは、「勝ちを最大限」にするための基本的な実践的トレード戦略をいくつか紹介します。トレーダーは、利益をコントロールすることはできませんが、損失をコントロールすることはできます。そして、常にリスクを考慮しつつ、利益をあげればベストといえるでしょう。
ピラミッティングとは、トレンド形成時において、相場の上昇(下降)につれてポジションを積み上げ、利益率を高めるトレード手法です。下の図は、1から2までの価格上昇時におけるポジションの積み上げ方です。相場上昇の初期段階では不安(「相場は悲観の中で生まれ」との格言もある通り)もあり、打診買いなど、小さくポジションを取り、上昇するにつれて自信が出てポジションを多く積み上げるというケースがよく見られます。
簡単にシミュレーションをしてみると(総資金は20単位分とします)、A=100.00、B=101.00、C=102.00、D=103.00、E=104.00とし、赤い数字は単位数とします。Aの時点で最初のポジションを作り、B、C、Dでそれぞれポジションを積み上げます。そして、Eですべてのポジションを決済した場合の利益は、パターン1が+63万円、パターン2が+37万円となり、(1)の方が利益効率が高いことがわかります。さらに、Dでポジションを取った後、Eに到達せずにBまで下げた場面で全て手仕舞いした場合、パターン1では+3万円、パターン2では-23万円となります。
上図のようなトレンド相場の時には、売買戦略としてピラミッティングは有効と考えられます。相場は上昇(下落)すればするほど反落(反発)リスクが高くなります。また、どこまで上昇(下落)するのかわからないことから、リスクにも備える必要があります。そのため、上昇(下落)とともに積み上げるポジションは「スケールダウン(徐々に取引単位を減らしていく)」させることがピラミッティングの基本となります。