前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が大きく上昇したことを受けて、ドル/円は序盤から堅調な動きとなった。その後、ポジション調整の動きから一旦下げる動きも見られた。米国市場では、FOMCを控えて様子見ムードが強く、序盤は小動きの展開が続いた。そして、FOMCで利上げが決定されたことを受けて、ドルが主要通貨に対して上昇したものの、追加利上げのペースが緩やかになるとの見通しが示されたことや、会見でのイエレンFRB議長のハト派的発言を受けて、下落に転じる場面もあった。ただ、株価が大きく上昇したことや、米国債利回りが上昇となり、日米金利差拡大が意識されたことから、ドル買い・円売りが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、もみ合いの展開が続いていたが、日経平均株価が前日比で300円以上上昇して始まったことを好感して、円を売る動きが優勢となった。
(2)目立った実需筋のフローはなく、短期筋によるポジション調整で反落。
(3)午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大する動きとなったこと、また米利上げ期待も加わり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(4)海外市場では、FOMCを控えて様子見ムードも強く、レンジ内の展開が続いた。そして、米国の利上げが決定されたことを受けて上昇したものの、追加利上げが緩やかになるとの見方から一旦下落に転じた。その後は株価の上昇などを受けてドル買い・円売りが優勢となった。
本日のトピックス
東京市場では、米国が利上げを決定したことで、日米の金融政策の違いが意識され、ドル/円は堅調な動きが続く可能性も考えられる。また、欧米の株価が大きく上昇したことから、日経平均株価の上昇も期待され、投資家のリスク志向の動きが強まる可能性も考えられる。海外市場では、利上げの材料も一巡し、やや限定的な動きが考えられるが、経済指標結果や、ポジション調整の動きには注意したい。
12/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.5万件 | 28.2万件 |
前回は、市場予想を上回る28万件台まで悪化し、5ヵ月ぶりの高水準となった。今回は、再び27万件台が予想されているが、この時期はホリデーシーズンの影響や年末を控えた雇用調整などで週間統計の変動が大きくなり易いことから注意したい。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月景気先行指標総合指数(前月比)
米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表する指標で、株価や金利、企業業績、マネー・サプライなど景気に先行して動く10種類の経済指標を指数化した経済指標。景気の方向性や転換点を判断する上で参考にされる。
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0.1% | 0.6% |
前回は、市場予想を上回り、4ヵ月ぶりの高水準となった。10月の株価は2000ドル上昇しており、指数に影響した。11月は反落もあり、やや伸び幅が縮小すると予想されている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ユーロ/ドルは、高値を付けた後、軟調な動きとなっており、注目されるサポートラインを下抜けたことから、一段の下げも考えられる。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、乖離幅が拡大するようなら下げ継続となる可能性も想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
マネー・マネジメント(3) トレード・マネジメント
トレードをするにあたっては、ただ漠然と取引するより、目標や取引のルールなどを明確に決めておいた方がよいでしょう。そして、そのルールに則って取引を行うことが大切です。損失の要因は様々ありますが、人間の心理による部分も多分にあり、そういう場合ほど後に後悔することも多いのです。
1、目標
目標と計画を立てることは重要です。たとえば、年間の利益目標を500万円とした場合、月ベースでは約42万円、1日あたり約2.1万円(20日とした場合)となります。そして、取引量が10万通貨単位ならば、1日あたりの利益幅は0.21円となります。為替ディーラーも、チームや個人の年間目標を細分化して、その日のディーリング計画を組み立てて臨みます。
2、計画
トレード資金や取引量、リスク容認度、トレード手法などの基本的な部分を決めておきます。そして、その日の相場動向や、イベント(経済指標や要人発言)予定などの状況を把握した上でトレードに参加します。伝説のトレーダーと言われたラリー・ウィリアムズ氏は、トレード資金が倍になるまで取引量を増やさないとし、取引量の増減は資金量の増減に合わせるとし、どんなに自信の持てる相場でも資金量を変えないなど、細かいトレード・ルールを設定してトレードに臨んでいたそうです。
3、検証
目標や計画を立てることは大切ですが、それ以上に自分のトレードを検証することも重要と言えます。ただ、為替ディーラーでさえもおろそかにしやすいのです。「己を知り、敵を知らば、百戦危うからず」ということわざがありますが、自分自身のトレードの成功や失敗の原因を追究することにより、成功や失敗のパターンも見えてきます。また、マーケットの状況や動きを把握することも、ある程度必要でしょう。例えば、「トレンド相場には強いが、もみ合い相場には弱い」、「動きの遅い相場展開には強いが、速い相場展開に弱い」など、それにより傾向と対策、使用するテクニカル分析も練ることができます。また、マーケットのパターンや特性なども見えて来ます。
それぞれ得意な相場展開、苦手な相場展開があるものです。自分自身の得意(自分にとって読み易い、利益の出しやすい)なパターンをいち早く見つけるためにもトレードの検証は重要です。そして、得意な相場展開の時にマーケットに参加して、苦手な相場展開の時は無理に参加しないことも時には重要であり、それがマネー・マネジメントにもつながります。