前営業日トピックス
海外市場の軟調な株価動向が影響し、日経平均株価が大きく下落したことを受けて、円買いが先行した。その後は、海外市場で大きく下落した反動もあり、ドルを買い戻す動きが続いた。ただ、海外市場では、引き続き原油安が他の資源価格や、資源国の経済へ悪影響を及ぼすとの懸念から、投資家のリスク回避姿勢が強まり、比較的安全な資産とされる円を買ってドルを売る動きが優勢となった。そして、米国市場では、雇用関連の経済指標が予想より悪化したことなどから、上値の重い展開が続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場序盤は、日経平均株価が大きく下落したことから、ドル/円は軟調な動きとなった。ただ、来週に米国の利上げが決定されるとの見方も根強く、下げたところでは買い戻しの動きも見られた。そして、前日の海外市場の大幅下落の反動もあり、終盤まで比較的堅調な動きとなった。
(2)海外市場に入り、原油安が産油国の経済へ悪影響を及ぼすとの懸念から、円買いが優勢となり、ドル/円は一段の下落となった。
(3)NY市場では、雇用関連などの米経済指標が予想より悪化したことなどから、上値の重い展開が続いた。
本日のトピックス
週央に大きく動いたこともあり、週末はやや落ち着いた動きとなる可能性も考えられる。東京市場では、新規材料に乏しいことから、株価のオープンや仲値公示前後の動きには注目したい。それ以外は限定的な動きが予想される。海外市場では、今週原油相場主導で動いていたこともあり、原油価格の動向に注目したい。米国市場では、小売売上高やミシガン大指数が予定されているものの、来週に利上げ決定するとの見方も根強いことから、発表直後に動く可能性はあるが、その後は限定的な動きとなる可能性が考えられる。
12/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月小売売上高(前月比)
米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.3% | 0.1% |
前回は、2ヵ月連続の横ばいから増加に転じたものの、市場予想を下回る結果となった。今回の市場予想は、前回を上回る伸びが予想されているが、前回伸びが限定的となった原因の自動車関連、4ヵ月連続マイナスのガソリンスタンドの改善がポイントとなる。 | ||||
22:30 | 米国 |
11月生産者物価指数(前月比)
米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.0% | -0.4% |
前回は、2ヵ月連続のマイナスとなり、特に食品などの下げが影響した。今回は、感謝祭を控えて価格が上昇した可能性も考えられ、プラスに転じるのか注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の基準線、転換線を上抜けており、本格的に上昇に転じるのか注目したい。当面は、一目均衡表の雲下限ラインや、レジスタンスをクリアできるのかがポイントとなる。また、フィボナッチのポイント近辺の動きにも注目したい。一方、下値ラインを抜けるようなら、一段の下げとなる可能性も想定しておきたい。