前営業日トピックス
最近の原油価格や、株価下落を背景に、東京市場から投資家のリスク回避の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。なお、注目された日本の機械受注は市場予想を上回ったものの、反応は限定的となり、中国の物価関連の指標結果にも薄い反応となった。海外市場では、エネルギーの在庫統計で原油在庫の減少を受けて一旦上昇していた原油価格が、再び下落に転じたことや、ダウ平均株価が高値から一時350ドル以上の下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、南ア・ランドは、財務相の解任報道を受けて主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本の機械受注が市場予想を大きく上回る結果となったものの、反応は限定的となった。ただ、株価下落を背景に、終盤まで上値の重い展開が続いた。
(2)米国市場では、欧米の株価下落や、原油価格の下落を受けて序盤は軟調な動きとなった。
(3)一時値を戻す動きも見られたが、値を戻していた原油価格が再び下げに転じたことや、ダウ平均株価が高値から350ドル以上の下落となったことを受けて、終盤まで軟調な動きが続いた。なお、南ア・ランドは、同国の財務相の解任報道を受けて、大半の主要通貨に対して下落となり、対ドルで最安値を更新し、対円では2008年10月以来の安値を付けた。
本日のトピックス
今週の為替市場は、特に原油と株価動向に左右される動きが続いており、前日の海外市場では、ともに乱高下するなど、不安定な動きとなった。この動きが東京市場でも続く可能性が考えられ、引き続き不安定な動きが予想される。そのため、投資家のリスク回避の動きが強まる可能性も想定しておきたい。また、アジア市場では、豪州の雇用統計の発表が注目されており、米国市場では、雇用や物価関連の指標発表が注目されている。ただ、FOMCを控えていることや、リスク回避の動きが先行する場合には、やや反応は限定的と考えられる。
12/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:00 | 英国 |
英中銀MPC 政策金利発表
金融政策委員会(MPC 〜Monetary Policy Committee)は、イングランド銀行(英中銀)に設置されている委員会であり、総裁、副総裁(2名)、チーフ・エコノミスト、エグゼクティブ・ディレクター、4名の外部委員からなる9名の委員で構成されている。毎月上旬に開催され、政策は木曜日の会合後に発表を行う。
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0.50% | 0.50% |
引き続き、金利などの政策は維持される可能性が高い。前回は、8対1で据え置きが決定され、今年と来年の成長率見通しも引き下げられた。また、ポンド高によるインフレ率の押し下げも指摘された。現状では、ポンドのレベルは同水準であることなどから、利上げ支持が増える可能性は少ないだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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27.0万件 | 26.9万件 |
感謝祭から年末商戦が始まっており、サービス業関連を中心に雇用の増加が見込める時期であり、失業保険申請も低位安定が続く可能性がある。 | ||||
22:30 | 米国 |
11月輸入物価指数(前月比)
輸入時の価格を指数化したものであり、特に、他の物価関連の指標と同様に国内のインフレ動向の先行指標の一つとして注目される経済指標。ただ、輸入時ということで、原油相場や為替相場の影響を受ける傾向にある。
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-0.8% | -0.5% |
前月は、エネルギー価格の下落が影響し、4ヵ月連続のマイナスとなった。11月は、10月よりも原油価格が下落していることから、物価指数に影響している可能性が考えられる。市場予想は、前回よりもマイナス幅が拡大するとの予想となっている。個別では、エネルギーと食品の動向に注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、大きく下落した反動でやや値を戻す動きとなっている。オシレーターのMACDでは両線がクロス間近となっており、クロスして乖離幅が拡大するようなら値を戻す動きが続く可能性も考えられる。また、フィボナッチライン近辺の動きには注目したい。
気まぐれ投資コラム
フィボナッチ・ファン
フィボナッチ・ファンは、3本の線(38.2%・50.0%・61.8%)で構成されており、ポイントの見方は、フィボナッチ・リトレースメントなどと同じである。フィボナッチ・ファンのライン上が、サポートやレジスタンスのポイントとなることも多く、特に、61.8%のラインが重要視されており、ここを抜ける場合には、トレンド転換のシグナルとなることも多い。また、一度抜けたラインは、その後のサポートやレジスタンスとなることもあるので注目したい。
※出所:FX総合分析チャート
※出所:FX総合分析チャート