前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は小動きながら堅調な動きとなった。その後、中国の経済指標が予想を下回ったことや、ポジション調整の動きなどから、ドル/円は一時下落する場面もあった。その後は、買い戻しの動きや、株価が上げ幅を拡大したことを受けて、再び堅調な動きとなった。米国市場では、米経済指標が予想外の悪化となったことや、当局者の発言を受けて、ドルが主要通貨に対して下落し、ドル/円は軟調な展開が続いた。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)堅調な日経平均株価を受けて、円売りが先行したものの、中国製造業PMIが予想を下回ったことで下げた後、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がECB理事会を前に為替ヘッジを小規模で始めたとの報道を受けて、円買いが強まったほか、投機筋のドルロングの手仕舞い売りも出た。
(2)下げ一服後は、堅調な株価動向が材料視され、堅調な動きとなった。
(3)米ISM製造業景況指数が市場予想を大きく下回り、2009年6月以来の低水準となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、ハト派のシカゴ連銀総裁(投票権なし)が、「2016年末時点でなお1%未満であることが適切となる可能性が高い」と述べたことも、ドルの圧迫要因となった。
本日のトピックス
本日は、米国で雇用関連の重要な経済指標の発表が予定されており、週末の米雇用統計を見極める上で注目されている。また、イエレンFRB議長の講演も予定されており、12月の利上げや、その後の利上げペースを占う上で注目されている。ただ、雇用統計の発表を控えていることもあり、タカ派的な発言は出ないと予想されているものの、指標結果も加わり、思惑が交錯する可能性も考えられる。また、ECB理事会も控えていることから、ユーロはやや神経質な展開も予想される。
12/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
11月ADP雇用統計 ![]()
民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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19.0万人 | 18.2万人 |
直近の2ヵ月はほぼ予想通りの結果が続いており、大きな動きにはつながっていない。前回の米雇用統計での雇用者数の伸びが意識され、多少期待する向きもあるが、目安となる+20万人を上回るようなら、ポジティブに反応する可能性もあるだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
3Q非農業部門労働生産性(前期比年率) ![]()
農業部門を除いた労働者一人当たりの生産高を示した経済指標で、企業景況や個人消費への影響が大きく、景気動向を判断する指標として注目されている。
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2.2% | 1.6% |
夏場に世界経済の懸念が高まったことや、季節的要因などもあり、前期はやや低下する結果となった。今季は改善が予想されているが、特に雇用統計を控えて、時間給与などの伸びが継続するかにも注目したい。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、堅調な動きが続いているものの、オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、目先軟調な動きも考えられる。ここから、両線の乖離幅の拡大や、トレンドラインの下抜けなどがあれば、一段の調整となる可能性も想定しておきたい。