前営業日トピックス
東京市場では、米国の利上げ観測を背景に進んだドル高の流れが一服し、米国の連休を控えて利益確定の動きが続いており、ドル/円は軟調な動きとなった。夕方には、トルコ軍によるロシア軍機撃墜が報道されたことで、投資家がリスク回避の姿勢を強めたことも、ドル売り・円買いに拍車をかけた。米国市場では、米GDPや住宅関連の指標が堅調な結果となったことから、ドルは一時上昇する場面もあった。しかし、その後に発表された消費者関連や製造業関連の指標が予想を下回る結果となったことから、ドル/円は軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米国の利上げ期待を背景に積み上がったドル買いポジションを一旦解消する動きが引き続き継続した。また、欧州の主要株価が下落して始まったことも、ドル売り・円買いの動きを後押しした。
(2)米GDP改定値が予想通り速報値から上方修正されたが、個人消費が予想を下回る結果となり、ドルはやや下げる場面もあった。
(3)米GDPや住宅関連指標の結果を受けて、ドル/円は堅調な動きとなったものの、その後に発表された米消費者信頼感、リッチモンド連銀指数がともに市場予想を下回る結果となり、軟調な展開が続いた。
本日のトピックス
米国の感謝祭の休日を控えて、積極的な売買が手控えられる中、米国市場では、重要な経済指標の発表が予定されている。薄商いであるものの、指標発表時に取引が集中する傾向があることから、発表前後の動きには注意したい。特に、指標結果が12月の米国の利上げの準備が整っているという新たな証拠となるのか見極めたいとの思惑もあり、結果を受けて動きが一時的に活発になる可能性もあるだろう。また、市場予想との乖離が大きくなる場合にも、予想以上の動きとなる可能性があるだろう。
11/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月耐久財受注(前月比)
米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
|
1.6% | -1.2% |
前回は、新規受注、コアともに今年の4-5月以来の2ヵ月連続のマイナスとなった。8-9月にかけての中国経済の減速懸念を背景に世界的な株価下落などの影響が表れたと考えられる。今回は、改善が予想されているが、予想程度の伸びが示されれば利上げに対する期待感も持続するが、明確な改善が示されなければ、年内の利上げ期待の後退に繋がる可能性もあるだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
27.0万件 | 27.1万件 |
引き続き27万件台の予想となっているが、市場では、前月に40年ぶりの低水準を付けてから比較的低位で安定しているとの楽観的な見方も出ており、以前ほどシビアに見ていないようだ。26万件台の結果ならより好感され、27万件台前半の結果でもそれ程ネガティブにはならないだろう。 | ||||
0:00 | 米国 |
10月新築住宅販売件数
米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
|
50.0万件 | 46.8万件 |
前回は、3ヵ月ぶりに50万件台を下回り、10ヵ月ぶりの低水準に落ち込んだ。マーケットでは、住宅セクターは緩慢ながら確実なペースで拡大しているとの見方が大勢を占めている。今回の市場予想は50.0万件と大台回復が予想されており、これをクリアできるかどうかに注目したい。50万件を回復できれば、ドルの押し上げ要因となる可能性も。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
93.1 | 93.1 |
前回発表の速報値では、マインド指数が4ヵ月ぶりの高水準、現在の景況感が3ヵ月ぶりの高水準、先行の景況感が5ヵ月ぶりの高水準となるなど、軒並み堅調な結果となった。今回は、横ばいが予想されており、回復基調が維持されるとの見通しとなっている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、上値の重い展開が続いている。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしているものの、ここから乖離幅の拡大が続くかがポイントとなる。トレンドラインを上抜け、レジスタンスも上抜ければ、一段の上昇も考えられる。ただ、サポートラインを下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられる。また、相場の流れに変化が出るのかにも注目したい。
気まぐれ投資コラム
目標値計算【2】一目均衡表計算(3) V計算
※出所:FX総合分析チャート
X計算は、(2)から(3)までの「押し目」や「戻し」に対して、その後どの位の上昇・下降があるのかを測る計算方法。重要なレジスタンスやサポートである(2)を抜けた場合の目標値は、(2)から(3)までの値幅と同等の上昇・下降があるという理論。(2)から(3)までの下降や上昇に対して倍返し(2倍の下降や上昇)となる。