前営業日トピックス
東京市場では、前日の欧米の株価が堅調に推移したことを受けて、日経平均株価も堅調な動きとなったことや、パリ同時多発テロに対する市場の反応が冷静との見方を背景に、比較的安全な資産とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。そして、終盤には欧米の重要な経済指標の発表を見極めたいとの思惑も根強く、反落する動きとなった。米国市場では、米消費者物価指数が、3ヵ月ぶりのプラスとなったことを好感して、ドルは上昇となった。また、堅調な株価動向や年内の米国の利上げ期待が根強いことなども影響した。しかし、FOMC議事録を控えて様子見ムードが強まっていることや、株価が下落に転じたこともあり、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は、日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、円売りが優勢となった。終盤には欧米の重要な経済指標の発表を見極めたいとの思惑も根強く、一段の円安にはなり難いとの見方が広がったことから、反落する動きとなった。
(2)米消費者物価指数が、3ヵ月ぶりのプラスとなったことを好感してドルが買われた。また、もみ合いの展開で始まったダウ平均株価が、一時前日比で100ドル以上の上昇となったことも材料視された。
(3)株価がマイナス圏に下落したことから、上値の重い動きが続いた。ただ、FOMCの議事録公開を控えて全般的に値動きは限定的となった。
本日のトピックス
本日、日本では日銀の金融政策決定会合が始まり(結果発表は19日)、米国では前回のFOMCの議事録が公開される。特に、前回10月のFOMCでは、12月のFOMCでの利上げ開始の可能性が示唆されたことから、その経緯やメンバーのコンセンサスが注目されている。そして、改めて利上げ期待が高まる可能性もあり、ドルを押し上げる要因となる可能性も考えられる。また、本日は複数の米当局者が講演などでの発言機会もあり、金融政策に関する発言にドル相場が一時的に左右される可能性も考えられることから注目したい。
11/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月住宅着工件数
建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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116.0万件 | 120.6万件 |
前月は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの120万件台となり、過去8年間でも2番目に高い水準となった。引き続き新築住宅市場の堅調さが示される結果となった。ただ、今回は、前回を下回る結果が予想されているものの、110万件台後半ならば懸念材料にならないだろう。 | ||||
22:30 | 米国 |
10月建設許可件数
住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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114.9万件 | 110.3万件 |
前回は、市場予想を下回り、3月以来の低水準となった。今回は、小幅増加が予想されており、比較的堅調な結果は維持される。100万件の大台を下回るなど、明らかに鈍化傾向が見られない限り大きな影響は出にくいだろう。 | ||||
翌4:00 | 米国 |
FOMC議事録公表[10月27-28日分]
政策決定日の3週間後(夏時間は日本時間午前3時、冬時間は日本時間午前4時)に公表される。
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9月の会合では、海外リスクへの警戒感が指摘され、利上げ開始を見送った経緯があった。今回公開される10月FOMC議事録では、海外リスクへの警戒感を引き下げたことや、12月の利上げ開始の可能性を示唆するに至った経緯に注目。また、利上げに関するメンバーのコンセンサスも確認したい。改めて利上げ期待が高まる内容ならドルの押し上げ要因となる可能性もあるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、上影線を付けた後コマ足が続き、下放れる動きとなっている。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、両線下向きとなり、乖離幅が拡大するようなら、一段の下げとなる可能性も考えられる。下値は、サポートラインやトレンドライン近辺がポイントと考えられる。
気まぐれ投資コラム
目標値計算【1】黄金比・黄金分割 (2)
※出所:FX総合分析チャート
上のチャートのように、(1)から(2)までの上昇に対して38.2%近辺までの調整で止まる場合には、トレンドが継続するケースが多く見られる。その場合、(2)の高値(レジスタンス)の延長線上を上抜けることが条件となる。ただ、(3)から(4)までの上昇に対しては61.8%まで下落するなど、調整が深すぎる場合には、トレンド継続が困難となる場合もある。
※出所:FX総合分析チャート
50.0%、61.8%の調整となる場合には、トレンド継続の可能性は徐々に低くなると考えられる。そして、61.8%を下抜ける場合には、トレンドの起点となったポイントまで戻る(全値戻し)ケースがよくある。 フィボナッチ・リトレースメントは、大きなトレンドから点線で囲ったような小さな波動での上昇や下降でも適用することができる。